大口式インプラントとは? 知っておくと治療が3倍楽になる!

大口式インプラントは、複数ある歯のインプラント治療の中でも最先端の治療法と呼ばれています。
インプラントとは、失ってしまった歯の代わりに人工の歯根を骨に埋め込み、その上に人工歯を被せることで、まるで本物の自分の歯のように使えるようにする治療法です。
ブリッジ治療と違って健康な歯を巻き込むことなく治療が可能なわけですが、その反面、失敗しやすいというデメリットもあります。
そんなデメリットを大きく軽減したのが、大口式インプラントと呼ばれる治療法です。
大口式インプラントとはどういう治療法なのか、メリットや治療の流れについてご紹介したいと思います。

1.今までのインプラント治療との違い

ドリルを使わない

大口式インプラントが今までのインプラント治療とどのように違うのか、まずはそこをご紹介しましょう。
これまでのインプラント治療では、インプラントを顎骨内に埋め込むために、専用のドリルを使って穴を開けていました。
穴を開けてインプラントを埋め込むためには6mm以上の骨幅が必要であり、骨幅が少ない場合には骨再生治療法によって骨を増大させることが必要です。
この骨再生治療には腫れや痛みが伴い、患者に対する負担が大きいことから、この治療を行わずにインプラントを埋め込むことが望ましいとされていました。
しかし、実際には骨幅が6mm以上ある患者は少なく、ほとんどのケースで骨再生治療の必要があったのです。
これによって従来のインプラント治療はリスクが高いとされており、実際に治療が不可能な患者も少なくありませんでした。
大口式インプラントは、これまでのインプラント治療で使用していたドリルを使わず細いキリのような器具を使って小さな穴を開け、穴を少しずつ押し広げて拡大していく治療法です。
当然骨再生治療を行う必要性はなく、患者の身体的負担及び精神的負担は大きく軽減することが可能になりました。

手術回数がほぼ1回

これまでのインプラント治療は、治療期間が長くなってしまうことがデメリットの一つでした。
インプラントを埋め込む1次手術の後、インプラントと骨がしっかりと結合して定着するまで3~6ヶ月の期間が必要になります。
その後、埋め込んだインプラントの頭を出して連結部分の装着を行う2次手術を行った後、インプラントの上にかぶせる人工歯の作成が始まりますので、トータルで3~10か月かかっていました。

仕事が忙しい人や小さな子供を抱えている人はこれだけの期間をかけて治療するのが難しく、インプラント治療を決意するには大変な覚悟が必要だった、というわけです。
しかし、大口式インプラント治療では手術がほぼ1回で済みます。
骨移植をする必要もないので手術自体の負担も少なく、治療期間が短く済むことからも、大口式インプラント治療を希望する患者が急増しているのです。

出血や腫れが少ない

ドリルを使って歯茎に穴を開けるこれまでのインプラント治療では、出血や腫れが長引くパターンが多く、特に骨再生治療を行った場合はこれらの症状が10日以上続く場合もありました。
出血が止まらない、痛み止めの薬が効かない等の報告もあり、患者の負担はかなり大きなものであったと考えられます。
しかし、ドリルを使わない大口式インプラント治療では、腫れや痛みといった症状も少なく、従来のインプラント治療と比較して出血もほとんどありません。
治療後の回復が早いことも、大口式インプラントが注目を集める理由のひとつとなっています。

2.大口式インプラント治療のメリット

インプラントが固定されやすい

ドリルで穴を開けてインプラントを埋め込む従来の方法では、穴とインプラントの間に隙間が生じてしまい、インプラントのぐらつきや不安定の原因になっていました。

大口式では小さな穴を押し広げてインプラントを埋め込むため、インプラントと穴の間に隙間が生じることはありません。
それどころか、押し広げられた骨がもとに戻ろうとする力が働くため、インプラントはしっかりと固定され、ぐらつきや不安定が生じる心配はほとんどなくなったのです。
インプラントが固定されやすいということはその後の治療にも大きく影響し、治療をより短期的に、そして効果的に行うことが出来る、というわけです。

骨粗しょう症でも治療できる

大口式インプラント治療は、骨粗しょう症のような骨密度の低い人でも受けることができます。
これは、骨を少しずつ広げる際に骨密度が上がるためであり、これまでは「骨粗しょう症だから」と諦めていたインプラント治療を受けることが出来るようになったのです。
治療できないケースが多いインプラント治療を、治療できるケースが多いものに変えたのが「大口式インプラント」ということになります。

心理的に安心して治療を受けられる

インプラント治療では最初にカウンセリングを受け、レントゲン等を確認して今後の治療法が決められていきます。
その際に、どのような治療が行われ、どのくらいの期間が必要になるのかが明らかになるわけですが、これまでのインプラント治療ではそのリスクの高さから、不安になる患者が非常に多かったのです。
しかし、「ドリルを使わない」「骨移植の必要もない」「腫れや出血も少ない」という大口式インプラント治療の場合は、患者の心理的不安も少なく、安心して治療を受けられます。
「ドリル音が苦手」という人も、大口式インプラント治療なら負担なく受けることが出来るでしょう。

3.大口式インプラントの治療の流れ

カウンセリング

口の中の状態とレントゲンを確認し、大口式インプラント治療が適しているかどうかを判断します。
「一般的なインプラント治療を行うためには骨が足りない」と判断された場合のみ大口式インプラント治療が用いられるケースも少なくありません。
患者の不安を取り除くために治療の詳細が説明され、患者自身が納得して治療を受けられるようにします。

インプラント埋め込み

皮質骨を指の感覚で確認しながら、細いキリのような器具を使って小さな穴を開けます。
左右に回転させながら穴を開けていき、徐々に器具の径を変えながら骨幅を拡大していくという方法です。
その際、ほとんど音がすることはないので、患者が不安になるという心配もありません。
穴がインプラントの埋め込みが可能な大きさになったら、埋め込みを開始します。

治療後のメンテナンス

大口式インプラント治療はほとんどの場合、約15分で終了する手術1回で済みます。
しかし、治療後のメンテナンスは必ず必要です。
個人差はあるもののインプラントが生着するまで数か月かかる場合もありますので、定期的に診察を受けてしっかりとメンテナンスしてもらいましょう。
メンテナンスをしっかり受けるかどうかで、その後のインプラントの状態は大きく変わってきます。

まとめ

  • 今までのインプラント治療との違い
  • 大口式インプラント治療のメリット
  • 大口式インプラントの治療の流れ

以上3点をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
世界的に注目を集めている大口式インプラントについてまとめてみました。
一人一人がより安全にインプラント治療を受けることが出来るように、歯科学は日々進歩しています。
大口式インプラントに関する情報を知り、新しい治療法について考えてみてください。