歯が割れるトラブル! 正しく対処すれば抜歯しないで済むことも!

歯や口内にはさまざまなトラブルがつきものですが、中でも歯が割れるトラブルは大変です。中には、歯が割れても痛くないといった症状もあります。しかし、痛くないからと言って、歯が割れたまま放置しておくと、重篤な症状が出てしまうこともあるのです。歯が割れる原因には、噛(か)み合わせや差し歯、など、さまざまなものがあります。当然、転倒したりぶつけたりして突発的なケガで歯が割れることもあるでしょう。急に歯が割れたときは、焦ったり不安になるのが普通です。そこで今回は、歯が割れる原因・歯が割れた場合の対処法・歯医者選びのポイントなどをご紹介します。

  1. 「歯が割れる」とは
  2. 歯が割れる原因について
  3. 歯が割れたときの対処法・治療法について
  4. 歯が割れる問題についてよくある質問
  5. まとめ

歯が割れる原因や対処法を知りたい方・歯の割れを直したい方はぜひ最後まで読んでみてください。歯の割れ方や欠け方によっては、抜歯せずに治療することもできます。

1.「歯が割れる」とは

1-1.歯の割れ方について

歯が割れると一言に言っても、以下のようなパターンがあります。

  • 歯冠破折(しかんはせつ):歯の見える部分もしくは、歯の根より上の部分が欠けた・割れた
  • 歯根破折:骨の中の歯が割れた・ヒビが歯の根まで達している

歯の見えている部分が割れた(欠けた)場合は、詰め物や被(かぶ)せものなどで治療・対処することができます。しかし、歯根の破折の場合、抜歯をしなければならないことが多いのです。

1-2.おもな症状

歯が割れると、下記のような症状が出てきます。

  • 歯茎がはれる・痛い
  • 噛(か)み合わせが痛い
  • 差し歯が外れる・ぐらつく
  • 小さな歯の破片が出てくる

また、歯が割れたのに痛くないという場合もあります。痛みがないからと言って放置せず、すぐに治療に行きましょう。

2.歯が割れる原因について

2-1.おもな原因

  • 神経を取り除いたことにより、血管から栄養が行き届かなくなり割れやすくなる
  • 歯ぎしりや食いしばり
  • 差し歯や虫歯で使った心棒がくさびの役割となり、歯が割れてしまう

2-2.噛(か)み合わせについて

噛(か)み合わせのバランスが悪い場合、奥歯に局所的に噛(か)み合わせの力がかかってしまうことがあります。健康な歯であっても、このように高負荷がかかれば割れてしまうこともあるのです。

2-3.割れた歯はどうなるのか

前述のとおり、割れた箇所や割れ方によっては抜歯せずに治療することもできます。割れた歯を放置しつづけると、さらに奥(根本のほう)まで割れてしまったり、虫歯になってしまうこともあるでしょう。細菌が入ってしまう危険性もあります。歯が割れた際は、痛みの有無にかかわらず、すぐ歯医者に行ってください。

3.歯が割れたときの対処法・治療法について

3-1.まずどうするか

3-1-1.ケガ以外で歯が割れた場合

割れた歯を歯医者で治療する際は、歯の状態(どこがどう割れているか)、噛(か)み合わせ、虫歯や差し歯の有無などを、レントゲンなどで確認します。今回割れた歯以外にも、不具合がある可能性がありますので、口内全体をよくチェックしてもらいましょう。

3-1-2.ケガなどで歯が割れた場合

転んだりぶつけたりして、突発的に歯が割れた場合は、割れた歯を必ず歯医者にもって行きましょう。その際は、歯を牛乳に入れるか、口内に入れて(飲みこまないように注意)持参してください。自分の歯を再利用するには「歯根膜」という膜をなるべく衛生かつ正常な状態で保つのがポイントです。水道水では、浸透圧の影響で歯根膜にダメージを与えやすくなってしまいます。牛乳や唾液のほうが水よりも浸透圧が低く、歯や歯根膜への負担が少ない状態で、歯と歯根膜の乾燥を防ぐことができるのです。また、早期治療もカギになります。土日や夜間にもやっている歯科(外来)もあるので、なるべく早く治療に行ってください。

3-2.治療法について

歯が割れたときの治療法は、おもに以下のようなものがあります。

3-2-1.亀裂(きれつ)の除去

亀裂(きれつ)が歯の表面だけにあるなど、程度が浅い場合には亀裂(きれつ)部分を削り接着剤で補強するという方法で治療することが可能です。歯根の治療や差し歯を付けることもあります。

3-2-2.神経の治療

ケガをして歯が割れた場合など、神経がしっかりと残っている状態で治療をしなければならないことがあります。その際は、局所麻酔をかけて神経を取り除き、差し歯を装着することとなるのです。

3-2-3.抜歯

歯の割れた部分が、歯槽骨(歯を支える骨)に達している場合は、抜歯になることが多いでしょう。抜歯の後は、人工歯や入れ歯・もしくはインプラント(保険適用外)の処置となります。

3-3.歯医者選びのポイント

歯が割れた際に、歯医者に行く場合は以下のポイントや選び方に注意しましょう。

  • 評判・口コミをチェックする
  • 実績や経験が豊富である
  • 対応や説明が丁寧
  • アクセスが良い
  • 料金や治療について、事前に説明がある

4.歯が割れる問題についてよくある質問

Q.歯医者がこわくてなかなか行けないのですが……
A.最近では、痛みや恐怖を感じさせない歯医者が増えてきています。治療の技術や麻酔の精度、患者への対応のレベルが高くなってきているのです。歯の割れは放置しておくと症状が悪化してしまうこともあるので、なるべく早く歯医者に行きましょう。

Q.歯医者に行く前の準備や持ち物はありますか?
A.持ち物は、保険証・ハンカチ・お金です。割れたり欠けたりした歯がある場合は、念のため持参しましょう。予約を取る際に、歯が割れた状況などを伝えておくとスムーズです。痛みがひどい場合や、すぐに対処が必要な場合には、即日予約を取れることもあります。

Q.歯が割れて痛みに耐えられないのですが……
A.土日や夜間も診てもらえる歯医者もあります。お住まいの地域名で検索してみてください。また、予約が埋まっていても、非常事態であれば時間を調節してくれる場合もあるので、電話で相談してみると良いでしょう。

Q.歯が割れるのを予防する方法はありますか?
A.歯の割れの予防方法は以下のとおりです。

  • 虫歯を放置しない
  • 噛(か)み合わせや歯ぎしりの癖を直す
  • マウスピースを利用する(激しいスポーツ時など)

5.まとめ

歯が割れる問題について、原因や治療法などをご紹介しました。突然歯が割れると動揺したり焦ったりしてしまいますが、いったん落ち着いてからすぐに歯医者に行きましょう。早めに正しい対策を取れば、治療方法の選択肢が広がったり、軽い治療で済むこともあります。歯の割れは、放置すると症状が悪化することがあるので、痛くなくても油断せず、すぐに診察を受けてください。