マイクロスコープを用いた根管治療を行う歯科のメリットは? 詳しく解説

根管治療は歯医者で受けることができる歯科治療の中でも、難しいものの1つです。「マイクロスコープを使用している歯科で根管治療を受けるのがおすすめと聞いたことがあるが、その理由を知りたい」と思っている人もいるでしょう。根管治療をしてもらうための歯医者は、マイクロスコープを備えているところがおすすめです。

今回は、根管治療でマイクロスコープを利用するメリットを紹介します。

  1. 根管治療にマイクロスコープを利用するメリット
  2. マイクロスコープを用いた根管治療の流れ
  3. 根管治療後の注意点
  4. 根管治療に関するよくある質問

この記事を読めば、マイクロスコープを用いた治療方法の流れも分かります。根管治療を行ってくれる歯医者を探している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.根管治療にマイクロスコープを利用するメリット

始めに、根管治療のやり方やマイクロスコープを利用するメリットを紹介します。

1-1.根管治療は歯の神経まで達した虫歯の治療

根管治療とは、歯の神経まで達した重度の虫歯を治療する方法です。虫歯が進行すると歯髄(しずい:歯の神経)まで菌が到達し、歯の根が炎症を起こします。ここまで虫歯が進行すると抜歯をすすめられることも珍しくありません。しかし、根管治療をすれば歯を残すことができる可能性が上がります。

1-2.細かい作業を正確に行うためにマイクロスコープは必要

歯髄は細く、人によって形が違います。また、虫歯菌が感染した歯髄組織や歯質をできる限り徹底して取ることで、根管治療の成功率が上がるのです。マイクロスコープは、対象物を数十倍~数百倍に拡大することができる顕微鏡の一種なので、これを使用すれば感染した部位が細かい作業がやりやすくなります。

1-3.ラバーダム防湿と併せて使用すれば成功率はより高まる

マイクロスコープを使用している歯科医院は、感染防止のためにラバーダム防湿を併用しているところもあります。マイクロスコープを使用し、ラバーダム防湿で感染を予防すればより成功率が高まるのです。

2.マイクロスコープを用いた根管治療の流れ

では、マイクロスコープを用いた根管治療はどのように行われるのでしょうか? この項では、その一例を紹介します。

2-1.感染予防措置と根管充填

根管治療は、虫歯の原因となる細菌に汚染された歯質や組織を徹底して取り除くところからスタートします。マイクロスコープを用いれば、感染部位がよく見えて、作業もしやすくなるのです。根管内をキレイにしたら、消毒して根管充填材(こんかんじゅうてんざい)を詰めます。これで、根管内に隙間がなくなり、細菌に再感染することも防ぐことができるのです。

2-2.支台築造・歯冠形成

削った歯に合成の冠を取り付ける、土台を作ってその上に歯冠をつけます。虫歯が歯髄にまで達するほどになると、歯は大きく削らなければなりません。そこで、人工の歯冠を取り付けて失った歯の代わりにするのです。歯冠を支える支台を構築してから歯冠をかぶせるまで、3~5回程度の治療が必要になります。

3.根管治療後の注意点

根管治療は終わった後もしばらく注意が必要です。この項では、注意点をいくつか紹介していきます。

3-1.痛みがしばらく続くことがある

根管治療は歯の根元を治療する方法なので、終わった後は痛みが1週間ほど続くことがあります。そのため、不安に思われる人もいるでしょう。この場合は、痛み止めなどを用いて痛みをコントロールする必要があります。

3-2.歯に強い力をかけられない

根管治療が完全に終わるまでは、強い力を治療中に歯にかけると、歯が折れてしまう可能性があります。ですから、ものを噛むときは注意が必要です。また、歯を食いしばるくせがあったり歯ぎしりをしたりする人は、歯科医師に相談しましょう。

3-3.治療を途中で投げ出してはいけない

根管治療はすべての工程が終わるまで時間がかかります。人によっては、途中で歯医者に通院できない期間が出てくるかもしれません。しかし、途中で治療をやめてしまうとそこから細菌が入り込んで再感染する可能性もあります。治療に時間がかかっても、必ず最後まで行ってください。

4.根管治療に関するよくある質問

この項では、根管治療に関する質問を紹介します。

Q.根管治療は健康保険が適用になるでしょうか?
A.根管治療自体には健康保険が適用になります。しかし、マイクロスコープやラバーダム防湿を用いた場合は、自由診療となることが一般的です。

Q.根管治療はどんなひどい虫歯でも行えますか?
A.いいえ。行えないこともあるので、まずは歯医者で状態を検査してもらってください。

Q.マイクロスコープを使用していない歯医者で根管治療を行わないほうがいいのですか?
A.マイクロスコープを使用していないからといって、いいかげんな治療を行ってはいません。しかし、マイクロスコープを用いなければ、歯科医は手探りで患部を取り除き消毒をするため、どうしても成功率は低くなります。より高い成功率を求めるならば、マイクロスコープを使用している歯科医院を受診しましょう。

Q.根管治療は子供でも受けることができますか?
A.はい。可能です。

Q.根管治療は痛みますか?
A.痛みを感じることはありますが、十分にコントロール可能です。

まとめ

今回は、根管治療にマイクロスコープを使用するメリットや根管治療の流れを紹介しました。根管治療を行えば、ひどい虫歯でも歯を残せる可能性が高まります。できるだけ歯を残したい、より正確な根管治療を受けたいという場合は、ぜひマイクロスコープを治療に用いている歯科を探しましょう。