子供の虫歯の悩みを解決!痛みの処置・治療・予防法を解説!

子供の歯の健康は、親がしっかり守ってあげたいものです。しかし、子供の歯は虫歯になりやすく、「歯が痛い」と訴えるので見てみると、虫歯になっていたという状況もあるでしょう。虫歯を発見したらすぐに適切な治療を受けさせ、再発を防ぐことが肝心です。

そこで、今回は、子供の虫歯で悩んでいる人のために、痛みの処置や治療・予防法について詳しく解説します。

  1. 子供の虫歯について
  2. 子供の虫歯の応急処置・対処法
  3. 子供の虫歯の治療法について
  4. 子供の虫歯と小児歯科について
  5. 子供の虫歯の予防法を学ぼう
  6. 子供の虫歯の歯科選びについて
  7. 子供の虫歯に関するよくある質問

この記事を読むことで、子供の虫歯に関する正しい知識が身につき、適切な治療を受けさせることができます。ぜひ、じっくり読んでみてください。

1.子供の虫歯について

最初に、子供の虫歯に関する基本について、大人の虫歯との違いなど詳しく学びましょう。

1-1.虫歯とは

虫歯とは、口内の酸が歯を溶かしてしまう状態をいいます。虫歯の原因は、ミュータンス菌です。口内に糖分が入ってくるとミュータンス菌が増殖し、歯垢(しこう)を作って酸を出します。虫歯を防ぐためには、丁寧な歯みがきなどで歯垢(しこう)を確実に除去することが必要です。虫歯の段階は、歯の表面が白く濁る程度のC0(初期虫歯)から最終的に歯がほとんどなくなるC4まで5段階あります。初期虫歯のうちに発見・対策ができれば、悪化を止めることも可能です。

1-2.子供の虫歯について

子供は、虫歯になりやすい条件がそろっているといえます。乳歯は、エナメル質や象牙質が永久歯の半分程度だからです。また、子供は甘いものなど、虫歯になりやすいものを好んで食べることも原因のひとつでしょう。さらに、まだ自分で歯みがきを行う習慣がなかったりブラッシングがうまくできなかったりする場合も多くなります。子供の虫歯を防ぐためには、親がきちんとチェックし、食後の歯みがきの指導や仕上げみがきをすることが必要です。

1-3.虫歯になりやすい歯とは

虫歯になりやすい歯には、以下の特徴があります。いずれも、歯ブラシが届きにくく、みがき残しが発生するため、虫歯になりやすいのです。以下の条件に当てはまる歯は、特に意識して歯みがきをしましょう。

  • 子供の歯(乳歯)
  • 歯並びが悪い
  • 奥歯
  • 親しらず

2.子供の虫歯の応急処置・対処法

子供の虫歯の応急処置や対処法について詳しく解説します。してはいけないことについても理解しておきましょう。

2-1.鎮痛剤を飲ませる

虫歯の痛みが激しいときは、鎮痛剤を飲ませるのもいいでしょう。市販の薬で、子供用かつ歯痛に効果があるものを選んでください。ただし、鎮痛剤には、虫歯を治療する効果はありません。歯の痛みが2日以上続くときは、速やかに歯医者を受診してください。

2-2.ツボを押す

歯の痛みに効果のあるツボを押してみましょう。たとえば、以下のツボを試してみてください。

  • 歯痛点(しつうてん):手のひら側(がわ)の中指と薬指の付け根の間にあるツボ
  • 合谷(ごうこく):人さし指と親指の骨が合流する位置からやや人さし指側(がわ)にあるツボ

ツボを押すときは、ゆっくりと息を吐きながら押しましょう。1か所につき、10回程度押してみてください。強く押し過ぎるとアザになるので気をつけましょう。

2-3.食事に気をつける

歯が痛いときには、食事内容にも気をつけましょう。甘い菓子やジュースは厳禁です。また、冷たいものや熱いものも、痛みを強くするので避けてください。食事は、かまなくていいように柔らかいものを選び、痛みがある歯の反対側(側)の歯でかむようにしましょう。かむことが難しい場合は、スープや液体ゼリーなどをおすすめします。

2-4.痛みがあるところを外部から冷やす

虫歯で痛むときは、炎症がひどくなっていることが原因です。そのため、痛む部分を外部から冷やすことでやわらげることができます。冷蔵庫で冷やしたおしぼりや冷却材を、頬(ほほ)に当てると楽に過ごせるものです。ただし、必要以上に冷やし過ぎて凍傷にならないように気を付けましょう。

2-5.子供の虫歯の応急処置や対処法でしてはいけないこと

子供の虫歯の応急処置や対処法として、以下のことは避けてください。

  • 大人用の鎮痛剤を飲ませる:子供には成分が強過ぎて副作用などの危険が高まる
  • 痛む部分を温める:温めると炎症がひどくなる・血流が盛んになるなどで痛みが増す

なお、虫歯が痛むときは、舌や手で患部を触りがちです。しかし、触ることで刺激を与えてしまい、炎症をひどくすることになるのでやめましょう。

3.子供の虫歯の治療法について

子供の虫歯の治療法について、歯医者に行ったほうがいい場合など、詳しく解説します。

3-1.病院に行ったほうがいい場合とは

以下のような症状が出たときは、歯医者に行きましょう。

  • 表面が白く濁ってきた
  • 明らかに黒く変色している
  • 小さな穴や欠けができた
  • 歯並びが悪い
  • 歯がぐらついている
  • 歯の痛みを訴える
  • 歯ぐきが腫れている

3-2.歯医者について

歯医者は、とても数多く存在しています。子供の虫歯を治療するためには、できるだけ腕がよく、信頼できる歯医者を選ぶことが大切です。また、子供の歯の治療に力を入れていることも見逃してはいけません。具体的には、小児歯科を併設しているところがベストです。歯科医も子供から人気があると、なおいいでしょう。歯医者通いを嫌がることなく、スムーズに治療が進みやすくなります。

3-3.歯医者での主な治療法や流れについて

歯医者での主な治療法や流れについて、それぞれ解説します。

3-3-1.歯医者での主な治療法

歯医者では、主に以下のような方法で虫歯治療を行います。

  • 初期虫歯:経過観察しながらブラッシング指導などをする
  • 軽度虫歯:虫歯部分を削って詰めもの・かぶせものをする
  • 重度抜歯:場合によっては抜歯する

3-3-2.歯医者での治療の流れ

歯医者では、以下の流れで治療を受けることになります。途中で疑問や不安に思ったことは必ず質問し、説明を受けてください。

  1. 診察前の問診票記入
  2. 歯科医による問診・視診
  3. 必要に応じてレントゲン撮影を行う
  4. 虫歯の状態を総合判断し、治療方針を決定する
  5. 歯科医から患者と患者の親へ治療方針の説明をする
  6. 治療方針に同意した場合、正式に治療開始

4.子供の虫歯と小児歯科について

子供の虫歯治療は、小児歯科に通うことをおすすめします。目的や重要性をはじめ、どんなことをするのか・効果や最近の傾向など詳しく学びましょう。

4-1.小児歯科とは

小児歯科とは、子供の歯の診療を専門もしくは中心に行っているところです。小児歯科の対象年齢は、小学校卒業まで(12歳)もしくは中学校卒業まで(15歳程度)となります。一般的な歯医者よりも、子供の歯の治療に特化していることが特徴です。

4-2.小児歯科の目的や重要性

小児歯科には、子供の歯の健康を守るという目的があります。成長期の歯は、あごの発達を考えて適切な治療を行うことも必要です。大人になってからも虫歯で困ることがないよう、子供のうちから歯の健康の大切さを理解させることも重要でしょう。歯医者嫌いにならないよう、子供の心理を考えた治療を行うことも、小児歯科の役割といえます。

4-3.小児歯科ではどんなことをするのか

小児歯科では、主に以下のことを行います。

  • 虫歯の予防・治療
  • 歯並びの矯正
  • かみ合わせの治療
  • 歯みがきなど日常的なケアの指導

4-4.小児歯科に通う効果について

小児歯科に通うことで、子供のうちから歯の健康の大切さを認識することができます。虫歯になったらすぐに歯医者に行くという習慣を付ける意味でも有効です。また、子供の心身の発達に合わせた治療を行うことで、親も治療を安心して任せることができます。小児歯科は、子供の歯の治療をするだけはないのです。

4-5.小児歯科に関する最近の傾向

歯の健康を重視する親が増えており、虫歯治療だけでなく歯の矯正率も高くなっています。健康な歯と美しい歯並びは、一生の財産といえるからです。また、虫歯にならないためのフッ素塗布などの予防活動にも力を入れているところが増えています。子供のうちから歯の健康の重要性に注目が集まる中、小児歯科に対する期待はますます高まっていくことでしょう。

5.子供の虫歯の予防法を学ぼう

子供の虫歯の予防法を詳しく学びましょう。歯みがきの仕方をはじめ、虫歯予防に必要な内容を解説します。

5-1.子供の虫歯の予防法とは

子供の虫歯を予防するためには、以下の点に気をつけましょう。

  • 規則正しい食生活に気を配る(だらだらと食べさせない)
  • 甘いものを与え過ぎない
  • 歯みがきを欠かさない(親がチェックして仕上げみがきを行う)
  • 定期的に歯医者に通ってチェックを受ける

5-2.子供の虫歯予防に効果的な歯みがきの仕方

虫歯予防のためには、食べかすや歯垢(しこう)を残さないことが肝心です。子供の歯は、大人の歯より小さくもろいため、歯ブラシは、子供用の小さなものを用意してください。毛の固さは柔らかめを選び、歯に負担をかけないようにしましょう。歯ブラシを小刻みに前後左右させ、1本ずつみがくつもりで進めてください。奥歯・歯の裏・歯と歯の間は、特に食べかすや歯垢(しこう)が残りやすい部分ですから、意識してみがきましょう。

5-3.フッ素・フロス・キシリトールなどについて

子供の虫歯予防には、フッ素塗布・フロスの使用・食後のキシリトールガムなども効果があります。フッ素塗布にかんしては、歯医者で行ってもらいましょう。

5-4.子供の虫歯の予防法に関する注意点

子供の虫歯予防は、親子で行うことが大切です。子供の歯はすぐに虫歯になりやすく、進行しやすいという特徴があります。子供の自主性に任せていたことで、不十分な方法を続けてしまい、虫歯になってしまったという例もあるのです。また、自宅での予防法には限界があります。定期的に歯医者に通い、チェックしてもらうことを忘れないようにしましょう。

6.子供の虫歯の歯科選びについて

子供の虫歯をきちんと治療するために、歯医者選びのポイントや最近の治療方法・費用相場や健康保険の扱いについて解説します。

6-1.歯医者選びのポイントを解説

子供の虫歯を治療するためには、信頼できる歯医者を選ぶ必要があります。具体的には、以下のポイントをチェックするといいでしょう。

  • 小児歯科の分野で豊富な実績がある
  • 歯医者としての技術力が高い
  • 治療方針の説明がわかりやすい
  • 治療費がリーズナブル・明確なシステムである
  • 歯科医や歯科助手などのスタッフの感じがいい
  • 院内設備や備品が清潔で掃除が行き届いている
  • 治療に通いやすい立地にある
  • 自分の都合のいい日時に予約を取りやすい

6-2.最近の治療方法について

最近は、できるだけ大きく削らない治療法が主流です。また、見た目が自然な仕上がりになる治療法を採用する歯医者が増えています。子供の虫歯とはいえ、美観にこだわる親が増えているからです。ただし、見た目が自然なセラミックを使用する場合など、健康保険適用外となる場合もあるので、治療を受ける前に確認しておきましょう。

6-3.子供の虫歯治療の費用相場

子供の虫歯治療は、治療内容や期間によって必要な費用が大きく異なります。軽度の虫歯治療ならば、保険適用の場合、数回の通院で合計数千円~です。重度の虫歯治療となると、長期間通うことになり、費用負担も大きくなります。虫歯の状態や本数にもよりますが、数万円以上かかることもあるでしょう。保険適用外の治療を受ければ、数十万円になることもあります。実際にかかる費用については、歯科医に確認しておきましょう。

6-4.健康保険の取り扱いについて

子供の虫歯の治療は、健康保険を適用することができます。ただし、虫歯治療のための詰めものやクラウン(かぶせもの)としてセラミックなどを使用すると適用外となり、全額自己負担となるので気をつけましょう。すべての治療を健康保険適用内で行いたいときは、必ず歯医者に伝えておくべきです。信頼できる歯医者なら、治療方法で健康保険を適用できる・できないの点も丁寧に説明してくれます。

7.子供の虫歯に関するよくある質問

最後に、子供の虫歯に関するよくある質問に回答します。それぞれとても参考になる内容ですからしっかり目をとおしておきましょう。

7-1.虫歯でも子供が痛がらなければ問題ないのでは?

子供の虫歯は、痛がらなくても治療してください。歯は、ものを食べるときに、必要なものです。虫歯の状態が進行すると食べものを食べにくくなり、栄養状態が悪くなる可能性があります。また、虫歯があるとかみ合わせにも響き、歯並びが悪くなって全身に影響が出る可能性もあるのです。痛がらなくても、歯医者に連れて行きましょう。

7-2.乳歯はいずれ生え換わるのだから虫歯になってもいいのでは?

確かに、乳歯が虫歯になってもいずれは永久歯に生えかわります。しかし、放置してもいいということではありません。乳歯の虫歯は、永久歯の生え換わりに影響を与えることもあるのです。また、虫歯になりやすい状態を改善しないと、永久歯まで虫歯になってしまいます。子供に虫歯の怖さと治療の大切さを学んでもらうためにも、放置しないでください。

7-3.子供の歯みがき嫌いを克服する方法は?

子供が歯みがきを嫌うケースも多く見ることができます。歯ブラシの感触が嫌い・味がまずいのが苦手・面倒など、さまざまな理由があるものです。まずは、なぜ嫌なのか原因を探りましょう。また、歯みがきは楽しいものであり、歯がキレイになると気持ちがいいということを、親が根気よく教えることも必要です。子供に好きな歯ブラシや歯みがき粉を選ばせると、自主的に歯みがきをするようになったという例もあるので参考にしてください。

7-4.子供の歯医者嫌いを治すにはどうすればいいですか?

子供が歯医者を嫌いになる理由は、怖い・痛いというマイナスイメージが先行してしまうからです。まずは、小児歯科を併設しているところを選びましょう。小児歯科では、子供の心理をよく理解しているので、必要以上に怖がらせることはありません。また、できるだけ痛くない治療を心がけているので安心です。

7-5.子供のときに虫歯だと大人になってもなりやすいというのは本当ですか?

子供のときに虫歯になった人は、生活習慣や食生活などの影響で大人になっても虫歯になりやすいのは事実です。しかし、子供のときに歯を大切にする認識や習慣が身についていれば、自然と歯のケアに力を入れるようになります。自分が虫歯になりやすいという自覚を育てることができ、歯医者に通うことができれば、必要以上に心配することはありません。

まとめ

今回は、子供の虫歯について詳しく解説しました。子供は、まだ歯みがきなどのケアを十分に行うことが難しく、虫歯になりやすいものです。しかし、早期発見・治療を行えば重症化しなくて済みます。子供の虫歯を発見したときは、信頼できる歯医者を受診し、適切な治療を受けてください。なお、歯医者を怖がる子供も多いため、経験が豊かで評判のいい小児歯科を受診することをおすすめします。子供に負担をかけずに治療に通えるよう、親が責任を持って歯医者選びを行ってください。