立ったり歩いたりしたときに足の指が地面に触れない、これが浮き指です。
放置してしまうと痛みや肩こり、時にはめまいの原因となることもあります。早めの対策が求められますが、一体何が原因でどう改善すれば良いのか、お困りではないでしょうか?
この記事では、そんなあなたのために、浮き指の根本原因と具体的な対策法を詳しく解説します。
痛みを和らげ、より快適な歩行を取り戻すための実践的なアドバイスも併せてご紹介します。ぜひ、最後までお読みください。
浮き指とは
どんな状態のこと?
歩くとき痛みがあるけれど浮き指なのか分からない、という人も多いと思います。まずは、浮き指という症状についてご紹介しましょう。
1-1.足の指が地面から浮いている状態
浮き指とは、重心がかかとに乗ってしまい足の指が地面から浮いている状態のことです。浮き指は男性より女性に多く、現在日本人女性の3人に1人が浮き指だと言われています。
本来、立っている状態のとき、土踏まず以外の足裏全体が地面についているもので、この状態が理想的です。しかし、浮き指の場合、5本の指が反(そ)っている、または丸まっていることにより、地面についていません。そのため、重心が指のつけ根とかかとの2点になってしまうのです。
1-2.自覚がない人も多い
浮き指は、上から見ただけでは分かりにくいものです。また、ウオノメや外反母趾などのように、直接的な痛みがあるわけではありません。そのため、浮き指であることを自覚していない人も多いのです。そこで、次の項では自分が浮き指かどうかをチェックするためのセルフチェック方法を紹介します。
1-3.浮き指のセルフチェック方法
誰にでもできる浮き指のセルフチェック法をご紹介します。まず、手で足の親指を足の甲側に引っ張ってみてください。正常な人の場合、45~75度くらいの角度にしか反(そ)りません。しかし、浮き指の場合は90度以上も反(そ)ってしまいます。
この方法でも分かりにくい場合は、靴の専門店で足底圧を測定してもらうのもおすすめです。靴を買い替える際に相談してみるとよいでしょう。
浮き指の
原因
浮き指になってしまう原因にはどのようなものがあるのでしょうか? 知らず知らずのうちに浮き指になりやすい生活を送っている可能性もあるのです。
2-1.サイズの合わない靴
浮き指になる一番の原因は、サイズの合わない靴を履いていることにあります。特に、サイズの大きすぎる靴やスリッパを履くことが多い人は注意が必要です。靴の中で指が遊んでしまい、歩くときにも脱げやすくなるため、無意識のうちに足の指に力が入ってしまいます。
逆に、小さすぎる靴の場合も、指が曲がった状態になってしまいます。その状態が普通になってしまうと、裸足で立っていても指は曲がったままです。
ほかにも、ハイヒールやつま先の細い靴は指先を圧迫しがちなので注意が必要でしょう。成長の早い子供の靴選びにも気をつけなければなりません。
2-2.運動不足
浮き指になる原因として、足指を使わないことによる筋力の低下もあげられます。車移動が多くて歩くことが少ないなど、普段から運動不足が気になる人は注意が必要でしょう。昔に比べ、反復横飛びや木登りなど、足裏を使った遊びや運動をする人たちは減ってきています。そのため、足裏の筋肉が発達しない子供も増えてきているのです。
浮き指が
心身に与える影響
浮き指は自覚症状が少ないのが特徴です。そのため、浮き指であることに気づかず放置している人も多いでしょう。しかし、浮き指は体にさまざまな不調をもたらす原因になるのです。
3-1.冷えやむくみ
足の裏は、全身の血液にとって折り返し地点になります。浮き指の状態が続いて足裏の筋肉を使わなくなると、全身の血流が悪くなってしまうのです。血流が滞ることによる「冷え」や、足に老廃物がたまりやすくなることで「むくみ」が生じやすくなるでしょう。もちろん、ダイエットをしても痩せにくくなり、下半身太りの原因にもなってしまいます。
3-2.腰痛や肩こり
浮き指だと足のアーチがしっかりしていない状態であるため、地面からの衝撃を吸収する力が低下します。そのため、歩いたり走ったりするたびに、ひざや腰に地面からの衝撃が直接伝わってしまうのです。
この状態が慢性化してくると、痛みをかばうようになるため、上半身にもゆがみが生じてしまいます。その結果、ひざ痛や腰痛だけでなく、肩や首にも痛みを感じるようになるのです。
3-3.自律神経失調症やうつ病
浮き指の状態が続くと、自律神経失調症やうつ病など、精神的な疾患につながる可能性もあります。浮き指によって起こるさまざまな症状を常に抱えるようになると、日常生活で常にストレスを抱える状態になってしまうのです。
特に首の痛みは自律神経につながっているため、注意が必要でしょう。
浮き指に
なってしまったら?
浮き指になってしまったときの改善方法はいくつかあります。自分の症状に合ったものを選ぶようにしましょう。
4-1.足の形を矯正するアイテムを使う
自分でできる浮き指の改善方法としては、テーピングやサポーター・専用靴下を使って足の形を矯正するものがあります。足裏のバランスを整えて正しい歩き方を促す効果があるでしょう。
また、浮き指対策に効果的なインソールも販売されています。靴の中で足をしっかり固定してくれるため、浮き指の悪化を防ぐことができるでしょう。
4-2.浮き指に効果的なトレーニングをする
浮き指を改善するためには、足指を鍛える必要があります。足指のグー・パー運動などはイスに座ったままでもできておすすめです。デスクワーク中でも簡単にできるトレーニングなのでぜひ試してみてください。また、足首を伸ばしたり反(そ)らしたりするのを繰り返す運動も効果的です。
4-3.接骨院で治療する
「浮き指を自分で改善するのが難しい」という人は、接骨院に相談してみましょう。全身の骨格バランスを整えたり足裏の筋肉をほぐしたりする施術とともに、弱っている足裏の筋肉を補強する方法などで治療します。浮き指の治療法は接骨院によって異なるため、自分に合ったところを探すようにしましょう。
日頃の生活で
気をつけることは?
最後に、浮き指の予防法をご紹介します。まず、自分に合ったサイズの靴を履くようにしましょう。大きすぎる靴や指先が窮屈な靴はおすすめできません。できれば、自分の足に合った靴をオーダーできるお店を利用するのがよいでしょう。
また、普段の歩き方を改善することも大切です。歩くときは土踏まずから着地し、足裏全体に力がかかるように意識してください。このとき、足の指が浮かないように注意するのがポイントです。
普段からほんの少し気をつけるだけで浮き指を予防することは十分可能でしょう。
浮き指対策
まとめ
浮き指になってしまう原因や改善方法についてお分かりいただけましたか? 浮き指は直接的な自覚症状がないため、気づかないうちに症状が進行している人も多いのです。腰痛やむくみなど体の不調を感じたときは、浮き指になっていないかチェックしてみるとよいでしょう。