歯に良いこと、悪いことって何?健康な歯をたもつための方法とは?

歯は、一度失うと二度と生えてきません。
今は、入れ歯やインプラントなど失った歯を補う技術も進歩しました。
しかし、やはり自分の歯に勝るものはありません。
できるだけ長く、自分の歯をたもちたいものです。
そこで、今回は歯に良いことと悪いことをご紹介しましょう。
歯の健康をたもつために歯磨きを頻繁にしているという方も多いでしょう。
しかし、歯磨きもやり方を間違えれば歯にとっては良くないのです。
歯の健康が気になるという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 歯の役割とは?
  2. なぜ、歯は抜けてしまうの?
  3. 歯に良いこと、悪いこととは?
  4. 定期的に歯医者に通おう
  5. おわりに

1.歯の役割とは?

歯は、食べ物を噛んですりつぶし、消化吸収しやすくなる器官です。
しかし、歯の役割はそれだけではありません。
私たちがはっきりと言葉を発音できるのも、歯のおかげなのです。
ですから、入れ歯を外した高齢者の発音が不明瞭なのは、滑舌が悪いわけではありません。
歯がないからです。
また、歯がきれいにそろっている方ほど高齢になっても若々しいでしょう。
歯がないと、頬からあごにかけてのラインが落ちくぼんで老けて見えます。
また、歯がないと顔の筋肉が支えきれずにたれさがってしまうのです。
ですから、高齢になっても歯がたくさん残っていれば、自然とアンチエイジングになるでしょう。

2.なぜ、歯は抜けてしまうの?

では、なぜ高齢になると歯が抜けてしまうのでしょうか?
この項では、年齢が上がるにつれて歯が抜ける原因をご紹介します。

2-1.虫歯

歯が抜ける原因というと、まっさきに思い浮かぶのが虫歯です。
虫歯は、ミュータンス菌が原因で起こる歯の疾患になります。
虫歯が自然完治することはありません。
初期の虫歯なら、歯の一番硬い「エナメル質」を削っているだけですので、治療も簡単です。
しかし、虫歯が進めばエナメル質の下の象牙質、さらにその下にある「歯髄」と呼ばれる神経や血管まで虫歯菌が削ってしまいます。
そうなると、歯は栄養や血液がうまく回らなくなり、死んでしまうのです。
こうなった歯は抜くしかありません。

2-2.歯周病

歯周病とは、歯ぐきが腫れて化膿(かのう)し、歯を支えきれなくなる病気です。
40歳以上の日本人の6割は歯周病にかかっているといわれています。
ポピュラーな病気ですが、決して楽観してはいけません。
歯肉は歯の土台です。この歯肉が化膿(かのう)してくると歯を支えきれなくなり、やがて歯が抜けてしまうでしょう。
歯周病は虫歯と違い、よほど進行しないと痛みが強くなりません。
ですから、痛みを感じて歯医者に行ったときはすでに手遅れ、というケースもあるのです。

2-3.歯は次々と抜けてしまうって本当?

鏡で歯を見てみると、すきまがほとんどありません。
しかし、歯が一本でも抜けてしまうとそのすきまに向かって両側の歯が倒れこんでしまうのです。
ものを噛むとき、歯には体重以上の力がかかります。
歯が抜けた後をそのままにしておくと、その力をうまく支えきれずに、歯は斜めになりやがて抜けてしまうでしょう。
ですから、一度歯が抜け始めると、周りの歯も次々に抜けていく可能性が高いのです。

3.歯に良いこと、悪いこととは?

では、歯を長持ちさせるためにはどんなことを行えば良いのでしょうか?
この項では、さけた方が良い習慣などとともにご紹介します。

3-1.歯に悪いこととは?

歯に悪いことというと、歯磨きをさぼるというイメージを持っている方も多いでしょう。
それも間違いではありません。しかし、歯に悪いことはそれだけではないのです。
歯を磨くとき、研磨剤の入った歯磨き粉で力を入れて磨いていませんか?
研磨剤とは歯を白くするために入っているもので、歯についた汚れをかき落とす効果があります。
しかし、その反面歯のエナメル質そのものを傷つけてしまうのです。
ですから、研磨剤入りの歯磨きで力いっぱい磨くとエナメル質が削れて象牙質がすけて見えてきます。
そうなると、虫歯でもないのに冷たいものがしみる可能性も出てくるでしょう。
また、歯は酸に弱いです。
酸とはすっぱみの成分でもあります。
酸化料の入ったお菓子やジュースなどを多量に摂取すると、歯は弱るでしょう。
また、柑橘(噛んきつ)類を食べた後十分に歯磨きを行わないと、歯が弱る可能性もあります。

3-2.歯に良いこととは?

歯には、自浄作用があります。
食事をするとだ液が出ますが、そのだ液が歯についた汚れを洗い流してくれるのです。
ですから、食事のたびに必ず歯を磨かなければならない、ということはありません。
入念に歯磨きが必要なのは、朝と夜の2回。朝の歯磨きは、夜の間にたまった歯垢(しこう)の元をかき落としたり、口臭予防を予防したりするのに必要です。
夜の歯磨きは、1日の汚れをかき落とすために必要になります。
どちらも時間をかけてしっかりと行いましょう。
また、よくかむほどだ液の分泌は促されて、歯の清潔度をたもてます。
ですから、食事のときはよく噛んで食べましょう。
また、カルシウムやタンパク質、ビタミン類は丈夫で強い歯を作ります。
ですから、小魚など硬くてカルシウムをたくさん含む食品は、おやつとしてもお勧めです。
さらに、キシリトール入りのガムも噛むことによってだ液の分泌が促されて、虫歯予防に効果的でしょう。

4.定期的に歯医者に通おう

しかし、いくら丁寧に歯磨きをしても、素人のケアでは限界があります。
ですから、定期的に歯医者に通って口の中の状態をチェックしてもらいましょう。
歯医者が大好き、という方はほとんどいないと思います。
虫歯や歯周病になったとしても、痛みが軽いうちは行きたくないと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、虫歯も歯周病も早期発見が大切です。虫歯の治療というと痛みが強いというイメージがありますが、初期の虫歯ならば痛みはほどんとありません。
歯周病も、初期ならば十分に治療可能です。
年を取るほど歯の不具合は増えていくでしょう。
ですから、かかりつけの歯科医院をひとつ作っておくと、何かあったときに心強いです。
20代~30代までは1年に1度、30代以降は半年に1度くらいの割合で、歯医者に歯の状態をチェックしてもらいましょう。
ついでに歯垢(しこう)も取ってもらうと、歯をよりきれいな状態にたもてます。
また、歯磨きの仕方なども指導してもらえますので、歯磨きのやり方に自信がない方は、ぜひ習ってみましょう。

5.おわりに

いかがでしたか?今回は歯に良いこと、悪いことをご紹介しました。
歯は、毎日使うものです。
ですから、年を取るにつれてどうしても弱くなりがちな部位でもあります。
しかし、歯磨きをきちんとして歯ぐきの健康に気を使っていれば、80歳を超えても20本以上の歯を残しておくことも可能です。
さらに、歯の健康は子どもの頃から気を配っておく必要もあります。
乳歯は生え変わりますが、乳歯に虫歯を作ってしまうと、永久歯が生えたとたんに虫歯になってしまうでしょう。
また、乳歯は永久歯に比べるとエナメル質が薄いので、虫歯にもなりやすいのです。
子どもはまだうまく歯が磨けません。
ですから、必ず親が仕上げ磨きをしてあげましょう。
また、歯にいつまでもくっつきがちなキャラメルやあめなどのおやつを食べ過ぎると虫歯になる可能性も高くなります。
ですから、子どもも親と一緒に定期的に歯科医院で歯をチェックしてもらうと効果的でしょう。