健康の第1条件とは何でしょうか。
人それぞれだと思いますが健康を維持するには食べものを摂取し続けることが重要だと思います。そのためには、健康的な歯が必要です。しかし、普段から注意していないと歯はあっという間に無くなってしまう現実があります。
この記事では歯の知識や寿命をのばす方法をまとめました。
目次
1.歯の平均寿命
1-1.日本人の平均寿命と歯の寿命
日本人の平均寿命は男性で約78歳、女性で約85歳と言われています。
平均寿命に対して歯の寿命は50~70歳です。人によっては10年以上ある余生を歯なしで暮らすことになります。
1-2.歯が無くなると
歯が無くなってしまうと食に対する意欲が激減するようです。
たとえば、1本の歯を失うだけで噛(か)む力が10%落ちるとされています。また、全部の歯が入れ歯になると約70%以上も噛(か)む力が落ちる傾向にあるのです。
噛(か)む力が無くなると食べることができるものがグッと少なくなります。食べるものが少なくなると、栄養に偏りが生まれるため健康的によくありません。また、食べることに制約が掛かると行動も消極的になります。
「親知らず」を除くと成人の歯は28本。平均して60歳以上の人だと約半分の歯が入れ歯となっているのが現実です。将来を健康に過ごすためには、今から歯のケアをするのが重要となってきます。
2.年齢別でみる歯の本数
現在の年齢別にみる歯の本数は以下のとおりです。
- 20代…28本
- 30代…28本
- 40代…26本
- 50代…23本
- 60代…17本
- 70代…10本
- 80代…6本
年を追うごとに歯が減っていく傾向があります。10本ほどになるとものを噛(か)みちぎる力はほぼ無い状態です。
3.歯を失う原因とは
どうして年を追うごとに歯が無くなってしまうのか。
この項目で歯が無くなる原因を知っておきましょう。
3-1.歯周病による歯茎の劣化
現代にて歯が抜け落ちる最大の原因は歯周病です。
歯周病は糖分の過剰摂取や歯磨きをしない、生活習慣の悪化などにより歯茎が炎症する病気のこと。初期症状は歯茎が赤くはれたり出血したりする程度です。この状態は歯肉炎と言います。
しかし、症状が進むと炎症がひどくなって歯と歯茎の間が広がり始めるのです。歯肉炎のまま放っておくと、歯茎がぶよぶよし始めて膿(うみ)が出てきます。また、においもひどくなってくるのが特徴です。最終的には歯の付近にある歯茎が無くなっていきます。
3-2.虫歯の放置
虫歯は歯にくっ付いた糖分などを栄養分に進行する病気です。
歯に付いた栄養分に虫歯菌が付くと、歯の表面に穴を作ります。穴の中にも虫歯菌は入り込んでいくので冷たいものや熱いものを食べることで染みるようになるのです。さらに、虫歯菌を放っておくと虫歯の穴は広がる一方。最後には神経までたどり着き激しい痛みに襲われます。
激しい痛みが去ると歯の残骸だけが残ることに。しかし、虫歯が治ったわけではなく炎症は続いています。
残骸となった歯は使いものにならないため抜き取りましょう。
3-3.普段の食生活の変化が歯の抜け落ちる原因に
現代では硬い食べものよりも柔らかい食べものが増えました。そのため、アゴや歯を効果的に使う場面が少ないです。また、糖分を含んだ食べものが増えたこともあり歯周病になりやすい環境にあります。
現代では8割以上の人が歯周病となっているのが現状です。また、歯に対するケアが進んでいないのも原因の1つ。効果的な歯磨きとケアが歯の寿命をのばすことになります
4.歯を長く使うためのケア
歯は1本でも多く残しておきたいもの。この項目では歯を残すためのケアをご紹介します。
4-1.自分でケアするポイント
歯を長く使うためにしっかり行いたいのは歯磨きです。しかし、ただ歯を磨けばいいのではありません。しっかりとプラークを取ることが大事です。
プラークは歯周病や虫歯の原因とされているもの。そのため、歯磨きでしっかりとプラークを取り除く必要があります。普段からプラークを取り除く歯磨きを心がけることが大切です。
4-2.プラークを取り除くために
プラークは歯と歯茎の間や小さな溝・隙間・くぼみ部分に溜(た)まる傾向があります。
そのため、歯磨きは歯の表面を磨くだけでなく溝の間から汚れをかき出すことをイメージしましょう。歯ブラシの当て方を常に変えながら汚れをかき出します。
4-3.歯ブラシの使い方を知る
歯ブラシは全体ではなくて毛先を上手に使うことが重要です。
つま先・わき・かかとの毛先をそれぞれ歯に当てるようにしましょう。また、歯は力いっぱいに磨いても汚れは落ちません。軽い力でかき出すことが重要です。
4-4.歯を磨くタイミング
口の中に糖分が入るとすぐにプラークの活動は始まります。活動は糖分が入ってから40分ほど続くのです。そのため、活動の時間を少しでも短くすることが重要となります。
食後の歯磨きが大事とされているのはプラークの活動時間があるからです。歯と歯茎の状態が気になる人はこまめな歯磨きを心がけましょう。
4-5.不安な場合の定期健診
自分で歯のチェックを続けることは大事な行動と共に一番の予防策です。しかし、どうしても自分だけでは取り切れない部分があります。そんなときは、専門の歯科医を訪れましょう。
子どもなら4か月にいちど、大人なら半年にいちどは歯科医の元を訪れて専門のチェックを受けるのが望ましいです。
歯科医のチェックでは、自分では取り切れない歯石除去や虫歯、歯周病の予防を行うことができます。
歯は失ってからでは取り戻すことができません。そのため、普段からの予防が必要となります。後悔する前に、セルフチェックと専門家によるチェックを行いましょう。
5.虫歯・歯周病を予防しよう
歯が抜け落ちる一番の原因は虫歯と歯周病にあります。セルフチェックだけでなく虫歯と歯周病の予防方法も知っておきましょう。
5-1.虫歯の予防策
虫歯菌は糖分に素早く飛びついて穴を作ります。最近の食べものには砂糖が多量に使われているため注意しましょう。さらに、時間を掛けて食べてしまうとその分菌が繁殖してしまいます。
おやつはゆっくり食べたいもの。ですが、あまりに時間を掛けすぎるのも問題。食べ方と食べるもの、さらに歯磨きのことをしっかり考えておきましょう。
また、偏食だと虫歯になりやすいです。繊維質のものは口内をきれいにする性質があります。偏食は止めてさまざまなものを食べるようにしましょう。アゴも使うため健康にもよい影響を与えます。
5-2.歯周病の予防策
歯周病は歯と歯茎の間にあるプラークが残っているのが原因。そのため、歯磨きをしっかり行うことが大切です。
また、不規則な食事や間食は口の環境にマイナス。虫歯と同じように偏食を無くしたり、歯磨きの習慣を忘れたりしないことが大切となります。
歯周病は自分でチェックすることも大切です。歯肉炎程度ならば適切な歯磨きをすることで健康な状態へ戻すことができます。チェックと歯磨きは忘れないようにしましょう。また、歯茎のマッサージなども効果的です。
6.まとめ
いかがでしたか?
この記事では歯の寿命とケアについてまとめてみました。最後に、歯をずっと保つために大事なことを確認しておきましょう。
- 歯は糖分やプラークがあると虫歯や歯周病になる。
- 自分で歯磨きとチェックすることでリスクはグッと減る。
- 偏食や変則的な生活は歯にも悪影響。
- 定期的に歯科医による検診を受けるとリスクが減る。
歯は一生付き合うものです。しかし、歯が先にやられてしまうと残りの人生を有意義に過ごすことが難しくなります。普段からしっかりとチェックして歯を大事にしましょう。