歯を失う原因について知りたい! 虫歯以外にも原因はあるの?

歯が丈夫な人は長生きをする。そんな話を聞いたことはありませんか? 歯の丈夫さと健康は密接な関係があります。80歳まで20本の歯を残そうという8020運動も提唱され、実施している自治体も多いでしょう。しかし、実際は40歳を過ぎると徐々に歯を失っていく人が増えます。なぜ、歯は失われてしまうのでしょうか?
そこで、今回は歯を失う原因やそれを防ぐ方法を紹介します。

  1. 歯の役割と健康との関係
  2. 歯を失う原因とは?
  3. 歯周病のセルフチェック
  4. 歯を失わないためにできること
  5. 歯を失う原因や予防方法に関するよくある質問
  6. おわりに

この記事を読めば、歯を失わないために今からできることも、よく分かるでしょう。歯の健康が気になるという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.歯の役割と健康との関係

はじめに、歯の役割や健康への影響を解説します。歯と健康にはどのような関係があるのでしょうか?

1-1.歯の役割

歯の役割といえば、食べものを噛むことが第一にあげられます。それ以外にも、

  • 発音を助ける
  • 表情を美しく保つ
  • 体に力を入れやすくする

といった役割があるのです。歯がなくなると発音が不明瞭になり、顔も一気に老けて見えます。また、力を入れるときは無意識に歯を食いしばるので、歯がなくなると体をうまく使えなくなるでしょう。さらに、歯がなくなるとものがうまく噛めなくなり、味覚も低下します。

1-2.健康との関係

前述したように、歯がなくなるとものをうまく食べることができなくなります。入れ歯を使用しても、元の歯と同じようにとはいきません。そのため、食が細くなり健康に悪影響がでることもあるでしょう。また、歯のかみ合わせがうまくいかないと、あごや首は頭を支えるのに余計な力を使います。その結果、頭痛や肩こりといった体の不調に悩まされることもあるでしょう。

1-3.8020運動とは

8020運動とは、「80歳までに20本以上の歯を保とう」という運動です。平成元年度より厚生労働省と日本歯科医師会が提唱し、始まりました。80歳まで20本以上の歯があれば大抵の食物がおいしく食べることができることから、若いころから口腔ケアに務め、歯を大切にしようという運動です。つまり、口腔ケアを適切に行っていれば、歯が抜けるのをある程度防ぐことができます。

2.歯を失う原因とは?

この項では、歯を失う原因を解説します。なぜ、年を取るにつれて歯が抜けやすくなるのでしょうか?

2-1.歯を失う主な原因

歯を失う主な原因は、虫歯と歯周病です。若いうちは虫歯で歯を失うことが多いのですが、年を取るにつれて歯周病で歯を失うケースが増えていきます。

2-2.虫歯の原因

虫歯は、ミュータンス菌(虫歯菌)が酸を作りだし、歯を溶かすことによって発生します。初期の虫歯は冷たいものや熱いものが染みる程度ですが、虫歯が進行すれば激しい痛みが起こるでしょう。虫歯は、自然治癒することはありません。早く治療をしなければ、抜歯するしかなくなります。また、神経を抜いた歯や冠をかぶせた歯の内部が、再び虫歯になってしまうこともあるでしょう。

2-3.歯周病の原因

歯周病とは、細菌が原因で起こる歯肉の炎症疾患です。歯と歯肉の間に歯垢が溜まるとそこにさまざまな細菌が発生し、歯茎が腫れたり赤くなったりします。しかし、痛みがほとんどないため、重症化しなければ自覚がないというケースも多いでしょう。歯周病が進行すれば、歯と歯肉の境目に深い隙間(歯周ポケット)ができます。そして、歯を支える土台部分が溶け、最後には自然と歯が抜けてしまうでしょう。

2-4.失われやすい歯とその影響

虫歯でも歯周病でも、奥の歯から失われていく可能性が高いと言われています。奥歯ほど口腔ケアが行き届かず、発見や治療開始が遅れるからでしょう。また、未処置の虫歯や部分義歯(ブリッジなど)の針金がかかる歯・冠をかぶせた歯なども、失われやすいと言われています。
前述したように、1本でも歯が失われると噛む力が20~40%ほど低下するのです。また、歯はお互いに支え合って安定しているので1本でも歯が抜ければ、周りの歯も次々と抜けてしまう可能性もあるでしょう。

3.歯周病のセルフチェック

歯周病かな? と思ったら、以下の項目に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。

  • 歯肉が赤く腫れている、もしくは黒ずんできた
  • 歯が伸びてきた感じがする
  • 歯と歯の間の歯肉が丸みを帯びてきた
  • 起床時、口の中がねばつく
  • 口臭が気になる
  • 歯を強く押すとぐらぐらする
  • 歯と歯の間にものがよく挟まるようになった

これらの項目に当てはまることが1つでもあったら、一度歯科を受診してください。

4.歯を失わないためにできること

この項では、歯を失わないための対策方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.歯のケアをしっかりとする

虫歯や歯周病を防ぐには、毎日のケアが大切です。可能ならば毎食後に歯を磨きましょう。また、就寝中は唾液量が減り、ミュータンス菌が繁殖しやすくなります。ですから、忙しくて歯磨きができないという場合は、夜だけでもしっかりと歯磨きをしましょう。また、歯を磨くときは歯茎をマッサージすることも大切です。歯と歯の間に挟まった歯垢を取るためには、歯間ブラシなどを利用しましょう。

4-2.歯医者に定期的に通う

虫歯や歯周病になってから歯医者に通っていては、歯を守りきることはできません。かかりつけの歯医者を作り、定期的に歯科検診を受けましょう。歯医者が大好きという人はいないと思いますが、定期的に歯医者で検診を受けていれば、虫歯も歯周病も早期発見することができます。

4-3.歯医者の選び方

今は、たくさんの歯科医院があります。ホームページを開設しているところも多いので、まずはホームページをチェックし、治療実績がある歯医者を選びましょう。口コミサイトも参考になります。ただし、評判のよい歯医者は予約も取りにくいので、注意しましょう。また、いくら評判のよい歯医者でも遠方では通いにくいものです。通いやすい場所の歯医者を選んだほうが、検診にも通いやすいでしょう。

5.歯を失う原因や予防方法に関するよくある質問

Q.歯を失ってしまったら、どうすればほかの歯を守ることができるでしょうか?
A.義歯を作ったり、インプラントをしたりと失った歯の代わりになるものを利用してください。抜けたら放っておいてはいけません。

Q.虫歯の治療が終わっても、定期的に歯医者に通院したほうがいいでしょうか?
A.もちろんです。虫歯が再発しないようにチェックしてもらいましょう。

Q.歯磨き以外で虫歯を防ぐ方法はありますか?
A.キシリトール入りのガムをかみ、唾液の分泌量を増やすと虫歯予防の効果が期待できるでしょう。

Q.事故で歯が欠けたり、ぐらぐらになってしまっても歯医者に行くべきですか?
A.はい。必ず歯の状態を診てもらいましょう。歯が折れても場合によってはくっつけることができます。

Q.乳歯の虫歯はいずれ生え変わるので放っておいてもいいですか?
A.いけません。乳歯の虫歯を放っておくと、永久歯が生えるそばから虫歯になってしまいます。必ず適切な治療を受けましょう。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は歯を失う原因やそれを防ぐ方法について解説しました。永久歯は、一度抜けてしまうと義歯を入れるしかありません。今は義歯の技術も発達しましたが、それでも生身の歯よりは違和感があるでしょう。ですから、定期的に歯医者で歯の状態を診てもらうなど、日ごろのケアが大切です。そうすれば、年をとっても歯周病で歯を失うリスクを減らすことができるでしょう。特に、体質的に歯が弱く虫歯になりやすい人は、こまめに歯医者に通ってください。