漢方薬の効き目は?どのくらいで効果が現れる?

漢方薬は天然由来の生薬を組み合わせた薬なので生薬の種類によって効果の現れる期間には大きな差があります。

漢方薬とは一般薬を比べると比較的に漢方薬の方が効果の現われが遅いという特徴があります。これは漢方薬と一般薬を比較した場合の傾向であり、生薬の種類によっては比較的に早く効果の現れるものもあります。

漢方薬の効き目は“漢方医に処方された漢方薬”と“市販されている漢方薬”では効き目や効果の現れなどが大きく異なります。

漢方医によって処方される漢方薬は体質や目的に合わせて調合するため効果が高く、一方市販されている漢方薬は効果が薄い傾向にあります。“漢方薬は効果が薄い”というイメージは市販漢方薬のイメージであり漢方医に処方される漢方薬とは性質の異なるものと考えて良いでしょう。

漢方薬の特徴

漢方薬は一つの生薬だけを服用するということはありません。複数の生薬を組み合わせて処方することで生薬は薬の効果を自在に調整することが可能です。

漢方薬は一般薬とは異なり複数の生薬を組み合わせることを前提に処方する薬です。生薬を組み合わせることで得られる作用を漢方では“相互作用”と呼び漢方では様々な相互作用を利用しています。

漢方薬で利用する相互作用は“吸収を促進”や“副作用を防止する”などによって漢方の効果や安全性を高めるということに利用されています。また相互作用の異なる漢方を組み合わせて全く異なる薬理効果を得るというような利用方法もあります。

漢方薬は相互作用を利用することで効果や副作用などを自在に調整するという特徴を持っているのです。

漢方の服用期間とは?

漢方の服用期間は長いというイメージがありますが、実際に漢方の服用は長期間に亘る場合があります。しかし、これは“同じ薬を長期間使う”という意味ではなく長期的に体質に合った薬を探すという意味での長期の服用になります。

漢方の効果は個人差が激しく体質に合った生薬を探すというのは非常に難しく、漢方薬の服用が長期間に亘るのは体質に合わせた生薬を探すための期間なのです。

効果の薄い漢方薬を長期間飲むということよりも体質に合った漢方薬を探すということが漢方薬を利用する上で大切な心がけなのです。

漢方は飲み方で効果が変わる?

漢方薬は飲み方というものが非常に大切です。漢方薬には“白湯で飲む”、“食間に飲む”、“煎じて飲む”など様々な飲み方があります。

ぞれぞれの飲み方と効果についてご紹介しましょう。

【漢方薬は白湯で飲む】

漢方薬は白湯(さゆ)で飲むというのが基本です。白湯というのは“湯冷まし”とも呼ばれ水を沸騰させ常温で冷ましたものです。白湯はできる限り軟水を使用して作るのが望ましいでしょう。

硬水のミネラルウォーターで漢方薬を飲んだ場合、漢方薬の効果を低下させてしまう可能性があります。硬水に溶け込んでいるカルシウムイオンやマグネシウムイオンが漢方薬の効果を低下させてしまう可能性があるので硬水で漢方薬を飲むということは避けるようにしましょう。

【漢方薬は食間に飲む】

漢方薬は一般薬とは異なり空腹時に飲むことで効果が高まります。漢方薬は一般薬と比べると吸収し難いものが多く、食後に飲んでしまうと効果が薄れてしまいます。

【漢方薬を煎じて飲む】

散剤やエキス剤(エキス粒状)などに加工されていない漢方薬を飲む場合には“煎じる”ということが必要になります。

煎じるというのは“漢方薬から成分煮出す”ということで、土瓶や小鍋などを使用して漢方薬から有効成分を煮出します。漢方薬を煎じる時間は含まれる生薬にもよりますが20~30分程度と長時間煎じる必要があります。

漢方薬の効き目の誤解

漢方薬は徐々に効いてくるというイメージは漢方全体のイメージとしては間違いといえるでしょう。漢方薬は含まれる生薬によっては劇的な効き目を現すものや、非常にゆっくりと効果を現すものがあります。効き目が弱い、又は現れないという場合には漢方との相性が悪いという可能性を疑う必要があります。漢方薬は漢方医と相談しながら“自分にあった薬を見つける”ということが重要です。