「薬湯」という言葉を聞いたことはありませんか? 薬湯とは、さまざまな健康効果が期待できる薬草をお風呂に入れて作ります。銭湯や温泉で薬草風呂に入ったことのある人も多いでしょう。薬草風呂は決して特別な材料を使ってはいません。ですから、家庭でも楽しむことができます。
今回は、薬草風呂で期待できる健康効果や家庭で薬草風呂を楽しむ方法を紹介しましょう。
この記事を読めば、薬草風呂を作る際の注意点も分かるでしょう。薬草風呂を自宅で楽しんでみたい人は、ぜひこの記事を読んで実践してみてください。
1.薬草風呂とはどんなもの?
はじめに薬草風呂とはどんなものかを説明します。どんな効果が期待できるのでしょうか?
1-1.生薬を入れたお風呂の総称が薬草風呂
生薬とは薬効のある植物や鉱物の総称です。漢方薬の材料としても知られています。生薬にはさまざまな薬効があり、生薬をお湯に入れることで、血行促進や疲労回復などさまざまな効果が期待できるでしょう。
1-2.匂いでリラックス効果も期待できる
よい匂いのするハーブ類も、薬草の一種です。匂いのいいお湯に全身を浸(つ)けることにより、高いリラックス効果が期待できるでしょう。
1-3.日本では昔から薬草風呂を活用してきた
端午の節句に入るしょうぶ湯、冬至に入るゆず湯も薬草風呂の一種です。日本人は昔から薬草風呂を利用し、健康促進に役立ててきました。現在でも、薬効のある入浴剤は人気があります。
2.薬草風呂で期待できる効果
この項では、薬草風呂で期待できる効果を紹介します。
2-1.健康促進効果
薬草風呂は血行促進や疲労回復効果が期待できるので、毎日入っていればより健康になれる可能性があります。冬場ならば風邪を引きにくくなるといった効果が期待できるでしょう。
2-2.美容効果
生薬の中には美肌効果や老廃物排出促進効果が期待できるものもあります。また、香りでリラックスすることにより、ホルモンバランスなども整う効果が期待できるでしょう。
2-3.体質改善効果
疲れやすい、冷え性など病気ではないけれど慢性的な体の不調を抱えている人は珍しくありません。薬草風呂に入り続けることにより、このような体質が改善される効果も期待できます。
3.自宅で薬草風呂を楽しむ方法
この項では、自宅で薬草風呂を楽しむ方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。
3-1.薬効がある植物を袋に入れて湯の中に入れる方法
私たちの身近にある植物でも、薬効が期待できるものがたくさんあります。一例をあげると、ミカンの皮・ショウガ・ヨモギなどです。また、ミントやラベンダーなどのハーブを使ってもいいでしょう。これらの植物をガーゼの袋に入れてお湯の中に入れれば、手軽に薬草風呂を楽しむことができます。
3-2.薬草風呂の元を購入する
生薬を使い、薬草風呂を作れる入浴剤も市販されています。薬草風呂を手軽に楽しみたい人は市販されている薬草風呂の元を使ってもいいでしょう。
4.薬草風呂に入る際の注意点
この項では、薬草風呂を作る際の注意点を紹介します。
4-1.自作する場合は量に気をつける
植物によっては肌への刺激が強いものがあります。ミカンの皮(ちんぴ)やショウガはその一例です。肌が弱い人や子ども、赤ちゃんは少量ずつ入れて様子を見ましょう。いきなり大量に入れてはいけません。
4-2.薬草は1回ごとに取り替える
生薬は水に濡らすと腐敗やカビが生える心配があります。乾かして再利用するのは避け、1回ごとに取り替えましょう。
4-3.肌に異常が出た場合はすぐに使用を中止する
生薬によっては肌に合わないこともあります。肌に赤みや湿疹(しっしん)、かゆみなどが出た場合はすぐに使用を中止し、異常が治らない場合は皮膚科を受診してください。
4-4.薬草を排水溝に流さないこと
乾燥した生薬は粉末状になっていることもあります。ただし、水に溶けないのでガーゼの袋などに入れて使用し、排水溝に流さないようにしましょう。つまりの原因になります。また、薬草によっては臭いが強いこともあるので、長時間お湯に入れっぱなしにしないようにしましょう。1度臭いがつくとなかなか取れないこともあります。
5.薬草風呂に関するよくある質問
この項では、薬草風呂に関するよくある質問を紹介します。
Q.薬効が期待できる生薬は野草を摘んでもかまいませんか?
A.はい。大丈夫ですがよく洗って使いましょう。また、毒草と間違えないように確認をしてください。
Q.薬草風呂は毎日入っても大丈夫ですか?
A.はい。体に異常がないなら問題ありません。
Q.生薬は乾燥させたほうがいいのですか?
A.1日だけ使うなら、生でもかまわないでしょう。ミカンの皮などは干したものが市販されています。
Q.臭いがお風呂についてしまった場合はどうすればいいですか?
A.重曹で掃除してみましょう。臭いが取れます。
Q.漢方薬をお風呂に入れてはいけませんか?
A.漢方薬は飲むものです。お風呂に入れても薬効は期待できません。
まとめ
今回は薬草風呂で期待できる効果や作り方を紹介しました。食材として利用できるショウガ・シソもお風呂に入れれば薬効が期待できます。また、家でミントやセージなどのハーブを栽培している人は、ハーブ風呂も楽しんでみるといいでしょう。肌の調子を確認しながら使用してください。