首の痛みはつらいですよね。首は、重たい頭を支えているため、負荷がかかり続けている状態。首に痛みを感じると気分も落ち込み、動くのも面倒になってしまいます。
首の痛みだけでは収まらず、頭痛に発展してしまうこともあるでしょう。朝目覚めたときに、突然起こる首の痛みも悩ましい問題です。中には、長引いてしまい、なかなか治らないケースもあります。
今回は、首の痛みについてご紹介していますので、解消せずに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
首の痛みの原因
首の痛みはさまざまな症状で現れます。首の痛み・動かず回らない・手のしびれ・こりなど。症状の出方によっては、深刻な状態にあることもあります。まずは、どのような原因で首の痛みが起こるのかを知っておきましょう。
1-1.首の構造
首は、頚椎(けいつい)という骨で構成されています。頚椎(けいつい)は、7つの輪状の骨であり、輪の間には神経がとおってできているのです。頚椎(けいつい)周辺の筋肉は、首を支える役割を担っています。
首に痛みを感じるのは、頚椎(けいつい)・首周辺の筋肉がトラブルを起こしていると考えるべきでしょう。
1-2.自律神経の乱れ
人間は常にストレスにさらされていますが、自律神経に影響を与えると考えられています。ストレスが自律神経の活発化を促すのです。自律神経が過剰に働き、筋肉の緊張・血管の収縮・血流悪化などが発生します。
精神的・肉体的ストレスの2つが関係しているとされるのが、首の痛みです。ストレスを感じると筋肉が硬直し、血流悪化で疲労物質も蓄積しやすくなり、痛みとして出てくるとされています。
1-3.枕が合わない
目覚めると首の痛みを感じるという方は、とても多くいます。睡眠環境はとても大切で、質のいい睡眠を得るためには自分に合う寝具を用意することが必要です。頭は5〜6kgの重さがあります。重たい頭を支える首をしっかり休めるために、枕が適切かどうかの見直しも重要になってくるのです。
寝違えなどは、枕が合わないことが原因で起こります。ぐっすり眠れない・疲れが取れないなどの悩みも、枕が原因になっていることが多いのです。
1-4.猫背
普段、姿勢を気にされていますか?首の痛みは、姿勢とも大きく関連しているのです。スマートフォンや携帯電話の画面を眺める時間が長く、デスクワーク中心の仕事をしていると、どうしても猫背になりやすくなります。
猫背は、耳の位置が肩より前に出ていると診断され、うつむき加減な姿勢を続けている人はより首の痛みを強く感じ、注意が必要です。
人間の体には背骨がありますが、頚椎(けいつい)から腰までS字に湾曲し、圧力分散して支えるようになっています。猫背になると、理想的なS字バランスが崩れ、首や首周辺の筋肉に必要以上の力が長時間加わるようになってしまうのです。猫背はさまざまな弊害を起こす姿勢ですので、なるべく意識して姿勢を保(たも)つようにしてください。
1-5.ストレートネック
頚椎(けいつい)は湾曲した形状をして、頭部の重みをバランスよく支えています。しかし、ストレートネックと呼ばれる湾曲がない形状の首は、頭部の重みを背骨に分散できず、頚椎(けいつい)だけで支えている状態です。
ストレートネックの問題は深刻なこと。症状が進むと頚椎(けいつい)の湾曲が反対に反(そ)って、頚椎(けいつい)にある椎間板に負荷がかかり、頚椎(けいつい)自体を悪くしてしまうことがあります。手にしびれやめまいを併発することもあるでしょう。
1-6.噛(か)み合わせ
首とは関連がないように感じる噛(か)み合わせでも、痛みを発症することがあるのです。歯のトラブルは全身症状に発展すると多くの歯科医師も指摘しています。しかし、噛(か)み合わせが悪いと顎と顔の歪(ゆが)みに進行してしまうのです。食べ物を噛(か)むときに左右バランスが悪く、顎や周辺筋肉に大きな負担がかかります。首の痛みも起こりやすくなり、噛(か)み合わせを見直すと頭痛や首の痛みが改善するケースも多くあるのです。
首の痛みの解消法
頭痛やめまいにも発展する首の痛み。放置しておくと、痛みが慢性化してしまうこともあり、解消法ですっきりした状態に戻しておきましょう。
2-1.首のストレッチ
後頭部から首にかけて、筋肉をゆっくり伸ばしていくストレッチです。後頭部に両手を置き、少しずつ前に倒していきましょう。少し強めに引くと背中までの筋肉が伸び、とても気持ちがよくなります。猫背の方は特に、延びている感覚を抱くはずです。
続けて、首の横から頭頂部に片手を置き、首を肩に近づけるように倒していきましょう。顔を少し斜め上にし、視線を上に向けた状態で行うと、より効果的です。
首のこりや痛み解消法としてよく知られているストレッチで、デスクワークなどで疲労を感じたときに、リフレッシュタイムに行うとすっきりしますよ。
2-2.肩こり体操
首と肩はつながっているため、首の痛みと肩こりが関連しているとも考えられています。首のストレッチと合わせて行いたいのは、肩こり体操です。
組んだ両腕がボールを抱えるような形でポーズを取ります。そのまま組んだ両腕を自分から離すように押し出し、肩甲骨周辺の筋肉を引っ張るようなストレッチを行うことが可能です。
肩こりが起こってから首の痛みを感じるようになった方は、運動不足が原因であるとも考えられています。普段から適度に運動を行うことで、肩こりや首の痛みから解放されるでしょう。
2-3.寝違えたときの対処法
寝違えると首に激しい痛みを感じますよね。可動域も制限され、日常生活にも支障をきたすはずです。寝違えた後に、どのような対処法を実践されていますか?多くの方が、首のマッサージを行っているでしょう。
しかし、首のマッサージは逆効果だとされています。寝違えたときは、脇下にある神経が圧迫されたことが原因で起こっているため、痛む方の腕を動かすことで解消できるのです。
痛みのある方の腕を少しずつ後ろに上げていき、20秒ほど姿勢をキープします。2セット行ってください。続いて、腰の後ろへ腕を回したまま20秒ほど姿勢をキープします。
腕を90度の角度になるように上げて、肘を120度に曲げ、20秒ほど姿勢をキープしてください。こちらも2セット行うのがおすすめです。
ほとんどの寝違えは1〜2日で解消しますが、長引くようなら早めに受診するようにしてください。深刻な症状が潜んでいることがあります。
まとめ
首の痛みについてご紹介しました。
- 首の痛みの原因
- 首の痛みの解消法
首は、重たい頭部を支えています。頚椎(けいつい)から腰にかけてS字に湾曲しているのが理想的。スマートフォンや携帯電話などで、自然と猫背になって負荷がかかってしまっているのです。
自律神経の乱れ・ストレートネック・噛(か)み合わせの悪さでも、首の痛みを発症しやすくなります。寝具が合わないと寝違えることもあるのです。
自宅やオフィスでも気軽にできるストレッチを取り入れ、血流改善に役立てましょう。寝違えには、首のこりをほぐすマッサージではなく、痛みを感じる方の腕を動かす体操がおすすめです。