年齢を重ねると共に口臭が気になってくる方もいます。特に、朝起きたときにひどくなって悩んでいる方も多いでしょう。口臭は原因をきちんと知れば予防することもできます。この記事では、口臭の予防方法についてまとめました。
1.朝に口が臭う原因
口が臭ってしまうには原因があります。まずは、その原因をチェックしておきましょう。
1-1.朝の口臭は誰でもきつい
口臭は、ニンニクやキムチなど食べたものが原因で臭うことがあります。しかし、今回取り上げるのは日常生活で起こってしまう口臭です。
実は、朝に口臭がきつくなるのは誰にでも起こります。この生理的に起こる口臭は「モーニングブレス」とも呼ばれているのです。朝に吐き出される口臭の程度は、個人によって違いがあるのを知っておきましょう。
1-2.口臭が起こるメカニズム
寝起きの口臭がきついのは、寝ているときのだ液量に影響してきます。
人間は、眠ってしまうとだ液の分泌量が減るもの。だ液は、食べものを溶かすだけでなく口内の細菌を抑える力があるのです。
しかし、睡眠中はだ液が減るので口内細菌が通常の3倍となります。細菌が増えると口内に残った食べカスや汚れをエサにして繁殖するのです。その活動が多いほど朝の口臭がきつくなります。
1-3.年齢と共に口臭は発生しやすくなる
年齢と共に口臭が発生しやすくなるのは、だ液の量が減ってしまうからです。
だ液は口内細菌を抑える効果があります。しかし、年齢と共にだ液の量が減ってしまうと細菌を抑える力が弱くなってしまうのです。その結果、朝の口臭がきつくなると思いましょう。
また、年齢と共に生活習慣が不規則になってしまうと口臭もきつくなります。寝る時間が遅いとだ液がきちんと出ないため、どんどん口臭がきつくなってくるのです。
2.口臭がきつくなる習慣
朝の口臭は、きちんと予防しないとどんどんきつくなります。では、具体的にどのような生活習慣だと臭うのか知っておきましょう。
2-1.寝る前に歯磨きをしない
朝の口臭がひどい人は、寝る前に歯磨きをしていない人です。歯磨きをしないと口内で増える細菌にエサを与えていることになります。
口臭がひどくなるのは、寝ている時間に増える細菌が原因です。口の中に食べカスや汚れがそのままだと朝の口臭がひどくなります。また、歯磨きが適当な人も口臭がひどくなってしまうと思いましょう。3分以下の人は、口臭がひどくなる傾向にあります。時間を掛けても歯の間を掃除していない人も臭くなると思いましょう。
2-2.舌の掃除をしない
自分の舌を見たとき、異常に白くなっている人は要注意です。異常に白いときは舌苔(ぜつたい)が原因で臭っています。
舌苔(ぜつたい)とは、口内の細菌や食べカスが舌上に残ったものです。舌苔(ぜつたい)は完全に消えることはありません。ほんのり舌の上にあるのが正常です。
しかし、この舌苔(ぜつたい)で真っ白のときは、口の中が汚れている証拠。歯磨きや舌の上の掃除ができていないことを意味します。
2-3.寝る前にお酒を飲む
寝る前にお酒を飲む人は、口臭がきつくなると思いましょう。お酒の臭いだけが直接の原因ではありません。お酒を飲むことで体が乾燥するのが原因です。
お酒を飲むと体は水分を必要とします。これは、体の外へアルコールを出そうとして各臓器が水分を必要とするからです。体中から水分を必要とするため、口内からも水分が無くなりだ液が減ります。その結果、細菌が動きやすい環境となって口臭がひどくなると思いましょう。
2-4.口内が乾燥している
口の中が乾燥すると口臭がきつくなります。人の口内が乾燥するには、いくつか原因があると思いましょう。
まず、寝ているとき口呼吸の人は乾燥が早くなるのです。鼻炎持ちなどの人は、口呼吸が続くと口の乾燥が早くなって口臭もきつくなると思いましょう。寝ているだけでなく日常生活でも注意が必要です。
もうひとつ、口内が乾燥する原因としてストレスがあります。人間は緊張すると口の中からだ液量が減ると言われているのです。この状態を「ドライマウス」と言います。ドライマウスが続くと鼻呼吸でもだ液が減ってくるのです。
2-5.口内で発生した病気をそのままにしている
虫歯や歯周病をそのままにしておくと口臭がきつくなると思いましょう。
虫歯や歯周病は、口の中で口臭の原因となる細菌を増やします。だ液が出ても細菌が多いと口臭がひどくなるのです。
特に、歯周病がひどくなると歯茎が腫(は)れて赤くなってきます。その一部が裂けて穴が開くと口臭はさらにひどくなると思いましょう。
3.朝の口臭を予防する方法
朝の口臭は誰にでも出るものです。ですが、少しでも口臭は抑えたいのが本音。そこで、口臭の予防・改善方法についてチェックしておきましょう。
3-1.寝る前・寝起きの歯磨き
まず、口臭予防として大事になってくるのが歯磨きです。歯磨きで口内環境を改善することは、口臭予防の近道となってきます。
歯磨きは寝る前と寝起きにするのが効果的です。寝る前・寝起きと共に細菌を追い出すことができます。また、寝る前は食べカス・汚れを除去する大事な作業となるのです。手早く終わらせるのではなく、しっかり3分以上磨くことを心がけましょう。コツとしては、奥歯から反対側の奥歯まで順番に磨いていくことです。
また、口臭がひどいときは歯ブラシだけでなく歯間ブラシ・糸ブラシを使って歯の間から汚れを取りましょう。
さらに、歯だけでなく舌の掃除もします。舌の上が白いときは歯ブラシ・舌用ブラシで舌苔(ぜつたい)を取り除きましょう。しかし、やり過ぎると舌が傷つくので1日1回が限度となります。
3-2.口の中にものを入れる
口臭がきつくなるのは、だ液が減っているため。そこで、口の中にものを入れてだ液を出してやりましょう。
だ液を出すのに効果的なのは食事です。朝の歯磨きを終えた後、朝食を取ることでだ液をしっかり出せます。朝食は頭や体調だけでなく、だ液を出す効果もあるのでおすすめです。
また、食事だけでなくガムをかむことでだ液を出せます。昼間の口内乾燥が不安なときは、ガムをかんでだ液を出していきましょう。
3-3.マスクをして寝る
口呼吸がなかなか治らないときは、濡(ぬ)らしたマスクをして寝るのがおすすめ。マスクが加湿器の役割をしてくれます。マスクをして寝るときは、ガーゼマスクにしましょう。水分をしっかり含んでくれます。また、部屋自体を加湿器にて潤すのも効果的です。
3-4.バランスのいい生活を目指す
不規則・ストレスのある生活はだ液を奪います。生活に問題があるときは、その部分を改善するようにしましょう。
ストレスが多いとドライマウスとなってだ液が減ります。また、不規則な生活でも睡眠中のだ液が減ってしまうのです。睡眠時間・就寝時間に気を配りましょう。
3-5.虫歯や歯周病の治療を行う
虫歯や歯周病がある人は、歯科医にて治療しながら口臭を無くします。口臭の原因を断てば口臭も減るのです。反対に、歯周病などを治さない限り根本的に解決しません。
また、口臭が全く治らないときは歯科医を1度訪ねることをおすすめします。自分では思ってもみなかったことが原因の場合があるものです。
4.まとめ
いかがでしたか? この記事では朝の口臭についてまとめました。
朝の口臭は、多かれ少なかれ誰にでも発生します。しかし、前日の夜や普段の歯磨きの習慣によって違いが出てくると思いましょう。
口臭は、口の中の細菌とだ液の量で変わってきます。歯磨きをしない・ストレスが多い・食事をしないなど口内環境に悪いことが重なると朝の口臭がきつくなるのです。
口臭を改善するためには、まずは歯磨きが必要となってきます。その後、気になる人はガムをかむなどだ液を出すことを心がけましょう。どうしても治らないときは、1度歯科医を訪ねることをおすすめしますよ!