舌苔ができる原因とは? 自分でできる舌苔除去や改善方法などを紹介

毎日歯ブラシをしていても、舌が白くなることがあります。舌に付着した白いものは、舌苔(ぜったい)です。まれに、黄色になることもあるでしょう。舌苔は、健康状態を示すものです。生活習慣なども影響するため、ご自身の健康を見直すきっかけにしてください。注意すべき舌苔なども理解し、改善方法を覚えておきましょう。
今回は、舌苔の原因についてご紹介します。

  1. 舌苔の基礎知識
  2. 舌苔の原因について
  3. セルフチェック
  4. 舌苔の改善方法・予防方法
  5. 舌苔でよくある質問
  6. まとめ

舌苔は口臭の原因になるとも言われています。また、内臓の病気が関連しているケースもあるのです。舌苔のケアを理解し、健康を維持するようにしてください。 

1.舌苔の基礎知識

まず、舌苔とはどのようなものか、症状などをご紹介します。

1-1.舌苔とは?

舌苔とは、食べカスや汚れが舌に付着し、細菌が繁殖するために起こる、白い苔(こけ)です。白が最も多い舌苔ですが、喫煙などの影響を受け、黄色や黒になることもあります。

1-2.舌苔の症状

舌苔の症状は、舌の表面が白く濁ることです。白い膜が広がり、口臭などを引き起こします。見た目の印象も悪くなり、健康状態が心配されることもあるでしょう。口の中が乾く、ドライマウスとの関連も指摘されています。

2.舌苔の原因について

舌苔はなぜ起こるのか、主な原因について考えていきます。

2-1.主な原因

2-1-1.ストレス

人は、ストレスを感じると免疫機能が低下します。疲労も感じやすくなり、体調不良を訴えることがあるでしょう。そのため、口腔(こうくう)内環境が悪くなり、舌苔が発生することがあるのです。

2-1-2.体調の変化

前述したとおり、体調の変化は口腔(こうくう)内環境を悪くする原因です。ホルモンバランスの変化や胃腸の不具合などは、舌苔の発生を招きます。

2-1-3.喫煙

喫煙者は、黄色の舌苔が付着しやすいものです。喫煙により、有害物質が体内に流れ込み、自律神経の乱れや口の乾燥を招きます。唾液が少なくなることも起因し、舌苔が発生するのです。

2-1-4.ドライマウス

近年は、唾液量が少なくなるドライマウスという症状が増えています。口呼吸をする人が増えたためで、口腔(こうくう)内が常に乾燥した状態になるのです。ドライマウスは舌苔の原因であり、歯周病にもなりやすくなります。

2-2.舌苔の正体

舌苔は、細菌の大繁殖した状態です。唾液が少ない場合、細菌が口腔(こうくう)内に停滞して流れ落ちることがありません。細菌量を減らすためには、唾液を増やす工夫をすることが大切です。

2-3.舌苔の注意点

2-3-1.口臭の原因

前述したとおり、舌苔は細菌の塊であるため、口臭の原因となります。また、唾液量が少ないことも、口臭をきつくするきっかけです。歯ブラシで歯をきちんと磨いていても、唾液量を増やすように働きかけないと、口臭や舌苔の改善にはつながらないでしょう。

2-3-2.内臓疾患の可能性

口は、全身の入り口となる器官です。胃腸や肝臓に疾患がある場合、口臭や舌苔が発生するリスクも高まります。また、糖尿病は唾液量が減少する病気で、ドライマウスによる舌苔が付着しやすいでしょう。内臓疾患が原因となっている場合、口腔(こうくう)ケアだけではなく、疾患治療も同時に行う必要があります。

2-4.関連する病気について

口腔(こうくう)カンジダ症という病気も、舌苔が発生する原因です。まれに、痛みを感じる場合があるでしょう。悪化すると、味覚障害やただれが出ることもあります。口腔(こうくう)カンジダ症は、免疫力が低下したときに注意が必要です。カンジダ菌への感染によって発症します。抗生物質やステロイドなどが、治療で用いられるでしょう。

3.セルフチェック

口腔(こうくう)内の状態をセルフチェックしてみましょう。

3-1.チェック項目

舌苔の付着量により、重症度を確認することができます。軽度の場合、舌の表面にうっすらと白い苔(こけ)が付着し、わずかな腫れを感じることがあるでしょう。主に、ストレスや疲労によるもので、休息を取ることで改善します。
中度では、舌苔に厚みがあり、粘つきも感じることが多いでしょう。暴飲暴食などによる胃腸への負担が原因で起こることが多いため、生活習慣を見直すだけでも改善することがあります。重度の舌苔は、舌全体が腫れ、歯の跡が残るなど、明らかな異常を肉眼で確認できるのです。舌が紫色に変色している場合は注意すべきで、血流の悪化が懸念されます。

3-2.健康な舌とはどんな状態か?

健康な舌は、淡いピンク色です。わずかに白い苔がついていても、さほど心配はいらないでしょう。適度に厚みと潤いがあり、弾力があるのが特徴です。

4.舌苔の改善方法・予防方法

舌苔は、日常生活の見直しや体調管理で改善します。

4-1.舌磨きはいいのか? 悪いのか?

適度な舌磨きは、舌苔を除去する効果があり、健康維持にもつながります。しかし、強く磨く・頻繁に行う・磨く方向が違うなどの場合、舌にダメージを与えてしまうことがあるでしょう。舌磨き専用ブラシを使い、舌の奥から先へ優しく磨くようにしてください。

4-2.口の乾燥を防ぐ

唾液には、汚れを浮かして取り除く作用があります。ドライマウスや唾液量が少なめの人は、なるべく口呼吸にならないよう注意しましょう。

4-3.免疫力を高める

ストレスや疲労が原因で、免疫力が低下します。免疫力を高めるため、睡眠や休息を十分に取るようにしましょう。ストレス発散も重要なポイントです。規則正しい生活を心がけ、適度に体を動かしてください。

4-4.よく嚙(か)む

食事中、きちんと嚙(か)む習慣を身につけていますか? 嚙(か)むことにより、唾液がしっかり分泌され、消化や吸収を促進するのです。口腔(こうくう)内に潤いをもたらし、舌苔の付着を抑制します。

4-5.舌を動かす

舌は筋肉で構成されており、加齢によって老化する傾向にあります。徐々に動きが悪くなることで、舌苔の付着を招くのです。なるべく舌を動かすように意識すれば、唾液の分泌や筋力アップにもつながるでしょう。

5.舌苔でよくある質問

舌苔のケアを考えている方は、質問集を参考にしてください。正しいケアを行い、口腔(こうくう)内を良好な状態にしましょう。

Q.どのくらいの間隔で舌磨きをすべきか?
A.週1回程度に抑えておきましょう。舌磨きを頻繁に行うと逆効果です。舌磨きに適しているのは、舌苔が多く付着している起床時でしょう。

Q.はちみつが舌苔にいいというのは本当か?
A.はちみつには殺菌作用があり、舌苔除去の手助けとなります。小さじ1杯を口の中に入れ、舌を動かしながら行き渡るようにしてください。

Q.舌苔を手に取ると臭いのはなぜ?
A.舌苔は細菌の繁殖が原因であるため、手に取るときつい臭いがするのが特徴です。特に、口腔(こうくう)内が乾いた状態だと、臭いが強くなる傾向にあります。

Q.自分で舌苔を除去するのが難しい場合は?
A.無理に舌苔を取り除こうとせず、歯科医院を受診してください。内臓疾患が関連している可能性がある場合は、内科など総合的に診断できるところがいいでしょう。

Q.舌の位置も普段から意識すべきか?
A.正しい位置は、上顎に舌が沿う状態です。自然と上顎に舌があたり、舌苔が取り除かれます。舌を下顎に寄せてしまう癖がある方は、普段から意識してみてください。

6.まとめ

いかがでしたか? 舌苔は白い苔(こけ)が付着することで、健康状態を示しています。ストレスや疲労で免疫力が低下しているときにも出現し、喫煙やドライマウスなどが原因で悪化することもあるのです。舌苔は細菌の繁殖によるもので、口臭の原因にもなります。口腔(こうくう)内の環境に留(とど)まらず、内臓疾患が関連していることもあるでしょう。舌磨きを週1回行い、普段から規則正しい生活を送って、全身の健康を良好な状態に維持することで、舌苔は防ぐことができます。生活習慣の見直しなど、できることから取り組んでみてください。