毎日使う歯ブラシですが、その交換時期をはるかに超えたものを使い続けている人が多いようです。
明確な交換時期が分かりにくい歯ブラシですが、定期的に交換しないときちんと歯の汚れを落とすことができず、毎日歯ブラシをしても虫歯や歯茎のトラブルにつながる恐れがあります。
歯のトラブルは体の健康にも影響を与えるもの。
正しい歯磨きは歯を守るだけではなく丈夫な体を作ることにもなり、なんと長生きにも関係していると言われています。
そんな大切な歯を守るための歯ブラシですが、「交換時期はいつ?」「どのように選んだらいいの?」と悩んでいる人のために正しい歯ブラシ選びとその交換時期についてご紹介しましょう。
1. 歯ブラシの交換時期の目安
1-1. 歯ブラシの毛先の広がりの濁りが交換の目安
誰でも経験したことがあると思いますが、使いたての歯ブラシは毛がまっすぐにピンと立っていてすべて同じ方向を向いています。
しかし、使い続けていると毛先がだんだん広がることでブラシの面積が広がると共に、毛の方向がばらばらになってしまうのです。
このような状態になってしまうと、力が均一に入らないために狙った歯をまんべんなく磨くことができず、歯垢や虫歯の原因になる磨き残しが生じてしまいます。
1-2. 歯ブラシの色が白く濁ると交換の目安
ほとんどの歯ブラシのブラシ部分は透明ですが、使用するうちにだんだん色が濁りはじめ、白く変わってきます。
この状態は、すでにブラシの素材であるナイロンの弾力性がなくなっているため、力が入らず汚れを落とすことができないのです。
また、交換時期を超えた歯ブラシを使っていると、半分ほどしか汚れが落ちないと言われています。
同じように磨いていていても、汚れが歯に残ってしまうため、歯磨き後にざらつきや磨き残しを感じる人は、歯ブラシの色をチェックしてみてください。
1-3. 一か月に一回が歯ブラシの交換目安
歯ブラシを使い続けていると、ブラシの状態が変わるためそれを目安にすることができるのですが、もっと簡単なのが一か月に一回歯ブラシを交換するという方法です。
ブラシが広がり白く濁る時期は、使い始めて約一か月後と言われているので、毎月交換することで常に良い状態の歯ブラシを使うことができ、磨き残しを減らすことができるのではないでしょうか?
一か月に一回の交換を忘れてしまいそうな人は、必ず給料日に家族全員分の歯ブラシを交換するなど、自分で絶対に忘れな日を交換日に決めることをお勧めします。
また、最近は電動歯ブラシを使う人が多いようですが、この場合の交換時期は各メーカーで異なるため、共通の基準はないようです。
各メーカーの取り扱い説明書を見ると、普通の歯ブラシ同様1か月を目安にしているものから、長いものでは半年に一回というものまであります。
これは素材や性能の違いから作られた基準なので、それに従うようにしましょう。
2.毛先の広がった歯ブラシを使い続けると・・・
2-1. 歯磨きしても汚れが落ちない
毛先が広がり交換時期を過ぎた歯ブラシを使っていると、毎日きちんと歯磨きをしても汚れが半分しか落ちていない状態になります。
そうなると当然虫歯になりやすくなり、歯垢が溜まりやすく口臭がきつくなる場合もあるのです。
また、口の中が清潔な状態にないと歯茎のトラブルも起こりやすく、歯肉炎や歯槽膿漏などに悩まされることになりかねません。
まだ使えるから、と交換時期が過ぎていても気にせず、毛先が広がった歯ブラシを使い続ける人がいますが、その行為が自分の歯の寿命を短くしているかもしれないのです。
2-2. 歯ブラシで歯茎を傷つけてしまう
毛先が広がった歯ブラシは歯を磨いているつもりでも歯茎を必要以上に刺激し、知らないうちに傷つけている可能性があります。
適度な歯茎のブラッシングは血行を促進し、歯肉炎の予防や改善にもつながるのですが、広がった毛先では飛び出している箇所もあり、歯茎に刺さって出血することもあるのです。
それを続けていると、ばい菌が入り炎症を起こすなど、歯にも悪影響を及ぼす可能性があります。
2-3. 歯ブラシに雑菌が繁殖する
歯ブラシは清潔にしているつもりでも、濡れた状態が長く続くことと口の中の汚れに触れるものなので、雑菌が繁殖しやすいものです。
まだ毛先が広がっていないからと言って使い続けることは、口の中に雑菌を入れていることになり、歯や歯茎のトラブルにもつながりかねません。
定期的に交換することが望ましいのです。
3. 自分に合った歯ブラシの選び方
3-1. 口の大きさに合った歯ブラシを選ぶ
子供の歯ブラシのブラシ部分はとても小さく、子供の口にも入りやすくまだ小さな乳歯も隅々まで磨くことができるような作りになっています。
大人でも人それぞれ口の大きさが違うので、それに合ったものを選ばなくては、大きすぎて奥歯まで届かなかったり、小さすぎて磨きにくいということになるのです。
どちらの場合も汚れが残りやすく虫歯の原因になるので、自分の口の大きさに合った歯ブラシを選ぶことは、とても大切なことなのです。
3-2. 歯茎の状態にあった歯ブラシを選ぶ
歯茎が健康な人は、普通のかたさの歯ブラシが使いやすく歯茎にも良いようですが、歯肉炎があったり出血しやすい人は、毛が柔らかいものを選んだ方が歯茎を傷めずに優しく磨くことができます。
汚れが落ちている気がするという理由だけで、かための毛を選ぶ人がいますが、かたい毛でゴシゴシ歯の表面を磨いてはエナメル質まではがれてしまい、知覚過敏になる危険性があるので注意が必要です。
また、歯茎を傷つけてしまい出血することもあるので、特にトラブルがない人はふつうのかたさを選ぶようにしましょう。
3-3. 歯垢が付きやすい人は電動歯ブラシを使う
電動歯ブラシを使用すると、手では落とすことができない細かな部分の汚れまでしっかり落とすことができます。
歯並びが極端に悪く普通の歯ブラシでは届きにくい場合や、体の不自由な人にとっては、電動歯ブラシはとても有効で、正しく使うことが出来れば歯を常に清潔に保つことができる優れものです。
しかし、電動歯ブラシの使い過ぎや力の入れ過ぎで、歯の表面のエナメル質まではがしてしまい知覚過敏になる人が急増しています。
特別な理由がない限り電動歯ブラシは勧めないという歯科医もいるようです。
優れた機能を持つ電動歯ブラシですが、正しい使用方法を守らないと逆に自分の歯を傷つけているかもしれないので、注意して使いましょう。
4.歯と体の関係
80歳で20本の歯が残っていることが望ましいとされていますが、現状はそれだけの歯が残っている高齢者は少ないようです。
長生きするためには自分の歯で食べ物をきちんと噛んで食べることが大切なのですが、高齢者は歯の調子が悪くなると食欲までなくなってしまいます。
それによって体が衰えてしまうことが多いようで、歯の健康は体の健康にもに大いに影響を与えるということなのです。
また、近年注目されているのが、歯周病と肥満との関係で、噛む力が弱まると肥満が進行し体に様々な害があり、肥満が原因の病気になりやすいのです。
最悪の場合、歯周病が原因で糖尿病が悪化することもあり、糖尿病の人が重度の歯周病にもなりやすいとも言われています。
まとめ
いかがでしょう?
交換時期を忘れ歯ブラシを使い続けることが、いかに危険なことなのかお分かりいただけたはずです。
毎日使う歯ブラシですが、きちんと交換時期を守り正しい使い方をしないと、歯の健康ばかりではなく体の健康にまで影響を及ぼしかねません。
80歳になっても20本以上の歯をキープするためには、日々の歯磨きで虫歯と歯周病を予防することが何よりも大切です。
それが、高齢になっても自分の歯で食べ物を食べる喜びになり、さらに長生きにもつながることではないでしょうか?